2024年03月06日
2023 AWS re:Inventの個人的re:Cap
昨年の11月27日から12月1日にかけて、アメリカ・ラスベガスにてAWS re:Inventが開催されました。
AWS re:Inventとは、AWSによるクラウドコンピューティングに関する世界最大規模のカンファレンスであり、
今回で12度目の開催となる、年に一度の AWS最大のカンファレンスとなります。
当イベントにて多くのAWSの新サービスが発表されることから、日本を含む世界各国から50,000人を超える参加者が集まっており非常に注目度の高いイベントとなっています。
筆者も現地にてAWS re:Inventに参加してきましたので、注目サービスを皆様にお伝えできればと思います。
参考: AWS re:Invent 2023
(https://aws.amazon.com/jp/events/reinvent-2023/)
注目サービス: 1. Amazon Q
今回のAWS re:Inventにおける最も重要なトピックは、満場一致で生成AI関連サービスであったと言えます。特に、「Amazon Q」は会場で最も大きな歓声のあがった新しいAWSサービスでした。
Amazon Qとは、生成AIを利用して主に以下の3点の機能を実現したサービスとなります。
・ユーザのビジネスに寄与するアシスタント機能の提供 →(例:文章生成や文章要約機能など)
・開発者やITプロフェッショナルへのアシスタント機能の提供 →(例:AWSコンソール画面でのQ&A、トラブルシューティング機能)
・ビジネスアナリストへのアシスタント機能の提供 →(例:Amazon QuickSightでのデータ分析、自然言語での質問に対する回答機能)
執筆時点ではまだプレビュー版となっており、本格的に活用されるようになるのはもう少し未来の話とはなりますが、今後のAWS利用を進めていく中で鍵となるサービスだと考えられます。
生成AI=ChatGPTというイメージがあるかもしれませんが、AWSも大幅な進歩を遂げており、生成AI利用に向けた取り組みが着実に進んでいるイメージを掴んでいただければと思います。
引用: AWS re:Invent 2023 - CEO Keynote with Adam Selipsky
(https://www.youtube.com/watch?v=PMfn9_nTDbM)
注目サービス: 2. Amazon Bedrock
その他のAWSにおける生成AI関連のサービスとして、「Amazon Bedrock」があげられます。
Amazon Bedrockについても、AWS re:Invent内で
・モデル選択最適化など、Amazon Bedrock全般に関わるアップデート
・Amazon Bedrockで選択できるモデル(Amazon Titan, Claude, Llamaなど)に関するアップデート
といった内容が発表されました。
例えば、Amazon Bedrockにおいて新しく利用可能なモデルとして発表されたClaude2.1については、上限トークン数や価格において、GPT-4(ChatGPT)に対して優位性を有しています。 (※2023年12月時点、下表を参考)
※2024/3/8追記
2024年3月4日に、Anthropic社よりClaude3が発表されました。Claude3は
・Opus(上位モデル)
・Sonnet(中位モデル)
・Haiku(下位モデル)
の3モデルが用意されており、Claude 2.1とSonnetを比較すると、精度・コスト・速度いずれもSonnetが優れているようです。
また、モデルごとに特徴(精度重視・コスト重視など)が異なりますので、ユーザは自分にとって最適なモデルを選択することができます。
Amazon Bedrockにおいても、Sonnetは利用可能となっており、近日中にその他のモデルが利用できるようになる想定です。よりAWS上での生成AI活用が促進されるのではないかと考えられます。
参考: Introducing the next generation of Claude
(https://www.anthropic.com/news/claude-3-family)
参考: Anthropic’s Claude 3 Sonnet foundation model is now available in Amazon Bedrock
(https://aws.amazon.com/jp/blogs/aws/anthropics-claude-3-sonnet-foundation-model-is-now-available-in-amazon-bedrock/)
引用: 弊社オンラインセミナー 「AWSでひも解く、生成系AIの動向と企業利用のポイント」資料より抜粋
(https://www.jsol.co.jp/seminar/2023/240220-22.html)
加えて、様々なAIモデルから最適なものを選択でき、かつオープンソースであることから透明性が高い点も魅力です。
引用: AWS re:Invent 2023 - Keynote with Dr. Swami Sivasubramanian
(https://www.youtube.com/watch?v=8clH7cbnIQw)
また、Amazon Bedrockを利用するにあたり、代表的な例としてRAGという技術での活用ケースがあげられます。
RAGとは、Retrieval-Augmented Generationの略称であり、外部ナレッジを取り込んだ上でテキスト生成を行う技術のことです。例えば外部ナレッジとして、社内ドキュメント(社内規定集など)を取り込むことで、社内独自のナレッジをチャットボット形式で質問することが可能になります。
前述したAmazon Qでも簡単に利用が開始できるRAG機能を有しているほか、よりカスタマイズ性が必要な場合には、こちらのAmazon Bedrockを利用してRAGを構築することが可能です。
弊社でもRAGに関するお問い合わせを多く頂いており、今後活用が見込まれる技術となります。
注目サービス: 3. AWS DataZone
上記2つのサービス以外で筆者が着目したサービスは、AWS DataZoneです。
近年データ活用に対するニーズは急速に高まっており、データサイエンティストなどデータ分析に関連する職種は非常に注目を浴びています。
一方で、そういった特定の職種の方だけがデータ活用を推し進めていくのではなく、企業内の誰もがデータを活用できる環境を整えていくことを「データの民主化」という言葉で表現されることがあります。
より多くのメンバーがデータ活用する機会を得ることで、よりビジネスへの活用の場が広がっていくことが予想されます。
しかし、一般的にデータベース等に格納されているデータはビジネスで利用している用語と紐づけられておらず、データ(または関連するシステム)に精通していないユーザがデータ活用しようとした場合、まずデータについての理解が必要という非常に高いハードルが存在しています。
その課題を解決することができるサービスが「Amazon DataZone」となります。Amazon DataZoneでは、普段の業務で利用しているビジネス用語とデータを紐づけることで、データの発見性を高めたり、組織間でのデータコラボレーションを活発化させたりすることが可能です。Amazon DataZoneの適用における考慮ポイントとして、最初に対象データに詳しいユーザが、データに詳細な説明を記載するなどビジネス用語とデータを紐づけるための下準備が必要でした。
この課題に対して生成AIを利用することで、こういった下準備の一部を自動的に行い、ユーザの負担を減らすことが可能となりました。Amazon DataZoneへの生成AI機能利用についても、執筆時点はプレビュー版となっていますが、よりAWSにおけるデータ活用の効率化に寄与するものとなることが予想されます。
引用: AWS re:Invent 2023 - CEO Keynote with Adam Selipsky
(https://www.youtube.com/watch?v=PMfn9_nTDbM)
まとめ
本日ご紹介した新規AWSサービスを始めとして、生成AIやデータ分析に関連するサービスは日進月歩で進化を遂げています。一方で、技術の進化スピードの速さゆえに、
・ビジネスでDXを進めていくにあたって、生成AIやデータ分析サービスを利用することが適切なのか
・どういったAWSサービスを利用・選択すれば、生成AIやデータ分析を目的に合わせて実現できるのか
・システムを導入しても、すぐにシステムが陳腐化し活用されなくなってしまうのではないか
といった課題感をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
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