2024年02月01日
データ分析の成功のカギ
近年、企業活動において、データ分析やAIによって生み出される価値の重要性が増しています。日々生み出される大量のデータからその中に眠る価値を引き出し、業務上の課題を解決することで、業務の効率化や新しいビジネスの創出に繋げる取組が活発化しています。このような取組は今後もますます増していくことでしょう。
一方で、データ分析やAIを活用した取組自体はまだまだ歴史の浅い分野であり、成功パターンが確立されておらず、失敗に終わる取組も多いように感じています。
筆者は5年以上にわたり、AIモデルの構築案件や、センサーデータを活用した異常検知案件など、さまざまなデータ分析案件に携わらせていただきました。今回はその経験から得た、データ分析案件を成功に導くための重要なポイントを3つご紹介させていただきます。
テーマ選定
データ分析案件を成功に導く最大のカギは「テーマ選定」です。「テーマ選定」とは、どんなことを目標に、どんな取組を行うか、を選定することです。
「そんな当たり前のことか」と思われがちですが、個人的にも非常に陥りやすい落とし穴があり、注意しているポイントです。
「AIを活用する」という言葉を聞いたとき、人ではわからなかった新たな知見を導き出すAIモデルを構築して業務で活用する、といった華々しい成功プロジェクトを想像する方も多いと思います。
もちろんそのような取組はインパクトも大きく、実際に業務に活用され成功しているケースもたくさん存在します。
しかし、その裏には様々なテーマで試行を行い、幾多の失敗事例が存在していると筆者は考えております。
「データ分析」や「AI活用」は、あくまで手段であり、最終目的は業務上の課題を解決することです。業務課題を解決する方法は一つではなく、複数のアプローチが考えられます。
その中には、AIモデルの構築など高度な技術が必要となるものもありますが、データの可視化や共有といった比較的手軽に取り組める方法もあります。
お客様の状況や目的によっては、難易度が低い方法でも大きな効果が期待できる場合があります。その場合、我々はまずそのアプローチを推奨しています。
データ分析やAI活用を含めた取組の中で重要なのは、難易度と効果のバランスを見極めてテーマ選定を行うことです。
どれだけ高度な取組でも、業務課題の解決に繋げることが出来なければ意味がありません。
業務課題を確実に解決できて、かつ難易度が高くないテーマがあれば、そのテーマを優先的に選ぶべきと考えています。
我々はお客様とのコミュニケーションを通じて、お客様の目的を達成するために何が適切なアプローチなのかを常に意識します。お客様のお話しを伺いながら、最適な解決策をご提案させていただきます。
ビジネスでの活用を見据えた分析の実施
テーマ選定後、実際にデータ分析を進めていく際にも「ビジネスに活用する」という視点を常に持ち続けることが重要です。
データ分析を行うと、新たな発見となる傾向や解釈が徐々に浮かび上がってくることがあります。これはお客様にとっても非常に興味深いものとなることでしょう。
このような状況になると、"もっと分析してみたい"という欲求が湧き上がることもあります。
非常に良いことなのですが、その欲求に身を任せてしまうと、本来の目的から逸れた方向に分析を進めてしまう可能性があります。
それが結果として、スケジュールやリソースを圧迫し、本来やるべき分析をできなくしてしまうこともあります。
そのため、我々分析者は常にお客様と目的を共有し、分析の優先度を協議する必要があります。
分析の方向性を正しく保つためにも、お客様とのコミュニケーションは欠かせません。
さらに、分析結果を評価する方法(評価指標)についても、お客様と協議の上選定することが重要です。
具体的には、どのような分析結果や予測精度であればビジネスに活用できるのか、をお客様と詳細にすり合わせます。
これは、我々分析者として提供する評価指標(例えばAUC、RMSEなど)は、必ずしもお客様の求める成果や精度を測るために適切なものであるとは限らないためです。
「これなら業務に活用できる」とお客様が納得できる評価指標を摺り合わせた上で、分析結果をご提供するようにしています。
これらの点を踏まえ、我々は「ビジネスに活用する」という視点を常に念頭に置きつつ、適切な分析の方向性を維持し、適切な指標で評価をおこなうことで、データ分析の価値を最大限に引き出すことを目指しています。
投資対効果の事前検討
近年、データ分析やAIの活用がビジネスの現場でますます重要性を増していますが、その黎明期には投資対効果(ROI:Return On Investment)を求めることが少なかったという事実をご存知でしょうか。
その理由は、新たな技術の採用という冒険に対する失敗許容のマインドセットが広く共有されていたからです。
しかし現在では、その段階から一歩進んでおり、データ分析やAIの活用に対しROIを求めるケースが増えてきました。
これは適切な進歩であり、分野が成熟するうえで必要不可欠なステップと筆者は捉えています。
データ分析やAIの活用による効果を正しく測定することは、お客様が社内外に対して成果を示すためにも重要な要素です。
また、我々分析者にとっても、提供する分析結果が適切に評価され、その価値が認められる重要な手段となります。
また、データ分析やAI活用の成果をROIとして測定することで、取組が成功したのか失敗したのかが明確になります。
これは、企業が次のステップを計画する上で極めて重要な情報となり、戦略的な意思決定を後押しします。
そのため、我々がデータ分析の取組をご提案する際には、ROIの算出方法についても議論させていただきます。
どのようにROIを設定するべきか悩まれているお客様に対しては、我々の過去の取組事例を参考に、ROI算出方法についてアドバイスさせていただき、お客様をサポートさせていただきます。
まとめ
データ分析やAIの活用は、企業の競争力向上や新たなビジネスチャンスの創出に寄与する重要な手段であります。
そして、その取組自体が成功を収めるためには、テーマ選定、ビジネス視点の維持、さらにROIの正確な測定という3つのポイントが重要となります。
ご存じの方々には基本的なポイントだったかと思いますが、非常に重要なものと考えています。
我々は、これらのポイントを踏まえた上でお客様のお話しを伺うことで、適切なアプローチによるデータ分析をご提供させていただきます。
データ分析やAIの活用についてもしお困りごとがございましたら、是非我々JSOLにご相談ください。お客様の成長と発展を全力でサポートさせていただきます。