2026年06月25日
マーケティングにデータサイエンスを活かすことはできるのか?活用例を含めて解説!
マーケティングとは
マーケティングは、製品やサービスを顧客に販売するための戦略的な活動やプロセスを指します。顧客のニーズや欲求を理解し、それに合わせて製品やサービスを開発し、価値を伝えるための方法を考えます。マーケティングの目標は、顧客に製品やサービスを販売するだけでなく、顧客との関係を構築し、維持することであり、企業の収益性や市場シェアを向上させることを目指します。これには広告、プロモーション、ブランディング、市場調査、顧客サービスなど、さまざまな活動が含まれます。
マーケティングの戦略にはSTP分析という一連の流れがあり、これらの原則に沿って分析を進めていきます。
STP分析とは
・S (segmentation):セグメンテーション
・T (targeting) :ターゲティング
・P (positioning):ポジショニング
上記の3つの頭文字をとってSTP分析といいます。それぞれ詳細について解説していきます。
セグメンテーション
セグメンテーションは、市場を顧客の異なるニーズや特性に基づいて複数のセグメントに分割するマーケティング戦略です。これにより、企業はより詳細な顧客の理解を得ることができ、それぞれのセグメントに合わせた製品やサービスを提供することが可能となります。セグメンテーションは、効果的な広告やプロモーション、価格設定、製品開発、流通戦略の立案に役立ちます。
ターゲティング
ターゲティングは、マーケティングにおいて特定の顧客セグメントに焦点を当てることを指します。つまり、企業やブランドが自らの製品やサービスを、最も関心が高く、最も需要が見込まれる顧客層に向けて販売・宣伝することです。ターゲティングにより、企業はリソースを最適化し、効果的なマーケティングキャンペーンを展開することが可能となります。さらに、より的確な広告やプロモーションを通じて、顧客の関心を引き、購買意欲を高めます。
ポジショニング
ポジショニングは、製品やブランドが市場において他の競合製品やブランドに対してどのような独自の位置づけを持つかを定義するマーケティングの概念です。つまり、製品やブランドが顧客間においてどのようなイメージや価値を持つかを明確にすることです。ポジショニングは、製品やブランドの特徴や利点を強調し、ターゲット市場での認知度や価値を高めるために使用されます。また、ポジショニングは、顧客に対して独自性や差別化を強調することで競合他社との差別化を図り、ブランドイメージを構築するための重要な戦略的な手段となります。
データサイエンスとは
データサイエンスは、データから洞察を得るための学際的な領域です。統計学、機械学習、コンピュータサイエンス、データ工学などの技術や手法を組み合わせて、大規模なデータセットを分析し、パターンやトレンドを発見し、問題を解決することを目指します。データサイエンティストは、データの収集、前処理、分析、可視化、モデリングなどの段階で専門知識を活用し、ビジネスや科学上の課題に対処します。この分野は、ビッグデータの活用や人工知能の発展に伴い、ますます重要性が高まっています。
マーケティングとデータサイエンスの関わり
マーケティングとデータサイエンスの関わりについて解説していきます。
データドリブンマーケティングとは
データドリブンマーケティングは、マーケティング戦略や意思決定においてデータと分析を活用するアプローチです。従来の経験や直感に基づくアプローチではなく、データに基づいた客観的な洞察に基づいて行動することを特徴とします。この手法では、顧客の行動データや購買履歴、デジタルマーケティングの成果などのデータを収集し、分析して顧客の行動パターンや嗜好を理解し、その情報をもとにターゲティングやセグメンテーション、広告の最適化などの意思決定を行います。データドリブンマーケティングにより、より効率的な広告費の割り当てやキャンペーンの改善が可能となり、顧客の獲得やロイヤルティの向上、企業の成長につながるメリットがあります。
予測マーケティングとは
予測マーケティングは、データ解析と統計モデリングを活用して、将来の顧客行動や市場トレンドを予測し、その予測に基づいてマーケティング戦略を立案する手法です。顧客の購買パターンや嗜好、行動履歴などのデータを分析し、将来の需要や需要変化を予測することで、企業はターゲティング、プロモーション、価格設定、在庫管理などの意思決定を行います。
予測マーケティングでは、機械学習アルゴリズムや統計モデルを使用して、顧客の行動パターンや傾向を把握し、これらの情報をもとに将来の行動を予測します。例えば、過去の購買履歴やウェブサイトのアクセス履歴から顧客の購買確率を予測し、その情報をもとにターゲティング広告を最適化するなどがあります。
データ分析にはデータサイエンスが欠かせない
データドリブンマーケティング、予測マーケティングの双方において、データサイエンスの知識は欠かせません。データの分析や解析、機械学習やアルゴリズムの設計には統計や数学、プログラミングの知識が必要不可欠だからです。マーケティングの現場では、こういったデータサイエンス領域の知識を有した人材の需要が高まっています。
マーケティングにおけるデータサイエンスの活用の仕方
データサイエンスどのようにしてマーケティングに活かしていけばよいのでしょうか?具体的に見ていきます。
顧客基盤の維持
データサイエンスは顧客基盤の維持に役立ちます。企業は既存の顧客を失った場合、新規の顧客を獲得しなければなりません。しかし新規顧客の獲得は膨大なコストと時間を要します。企業は持続的に安定的な収益を上げる為には、既存顧客の維持が欠かせません。
データサイエンスによる予測モデルでは、顧客が離れてしまわないようポイントごとに施策を打ち顧客基盤の維持に役立ちます。
顧客生涯価値
企業は短期的な顧客獲得、売上拡大に傾倒しがちです。しかし、企業が長期的に成長するために、将来一貫して商品やサービスを利用してくれる顧客は非常に重要です。マーケティング戦略をデータ分析のもと最適化することで、顧客の生涯価値をあげることが可能です。
顧客セグメンテーション
データサイエンスは顧客セグメンテーションの選定にも有効です。顧客セグメンテーションを明確にし、自社サービスのターゲットの解像度を上げることで、一貫した施策を展開することができます。
製品の傾向
製品の傾向を知るためにもデータサイエンスは有効です。どの商品に顧客は関心があるのか、それらの顧客にはどの媒体を用いるべきなのかという戦略立案の部分でデータをもとにした分析は非常に役立ちます。
感情分析
顧客のSNSへの投稿やアンケートによるフィードバックを通じて、自社サービスの市場における評価を可視化することができます。可視化された自社の強み、弱みをもとに改善を繰り返していき、より評価の高い製品を作り上げることができます。
アップセルとクロスセルへの応用
アップセル戦略、クロスセル戦略へ応用する際にもデータサイエンスは有効です。
アップセル戦略とは、顧客が以前利用したサービスからより上位なサービスに乗り換えてもらい顧客単価アップを目指す手法です。年会費無料のクレジットカードから有料のゴールドカードにアップしてもらうなどがその例です。
一方でクロスセル戦略とは顧客が検討している商品にプラスして別の商品の購入も検討してもらい単価を上げる方法です。スマートフォン購入時に、フィルムやケースの購入を提案することがその例です。
これらの戦略を練る際に、顧客の購入履歴をもとにしたデータ分析が有効です。どの商品とどの商品がセットで売れたのか、どのタイミングでアップグレードしたのかなどのデータ結果を分析していき効果的なマーケティングを行うことができます。
購買行動の予測
コマースの小売業者は、顧客が何を買うかを予測するために、販売時点(PoS)で予測分析を使います。ウォルマートとP&Gは、その良い例です。P&Gは、在庫データや売上データ、在庫の状況、価格などの情報を提供し、それを使って販売の予測と在庫管理を行います。これにより、VMI(Vendor Managed Inventory:ベンダー主導型在庫管理)を実現しています。VMIは、ベンダーが在庫管理を主導し、不良在庫の削減や在庫回転率の向上などの利点があります。
コンテンツの推奨
コンテンツ推奨においてもデータサイエンスは有効です。企業は視聴履歴と予測分析を用いてユーザーの趣味嗜好に最適なコンテンツを提示できます。Netflixを見ているとよく出てくる、あなたへのおすすめが良い例です。
施策管理
データ分析をもとにどの施策に焦点を置くかという事を明確にすることができます。施策の目標、かかったコストや時間、達成率をもとに施策の効果を定量化します。
ボリューム予測
需要量を予測する際にもデータサイエンスは役立ちます。需要量を正確に予測することで最適な場所に最適な予算、人員、コストを配置することを可能にし、企業の効果的なマーケティングに寄与できます。
マーケティングとデータサイエンスのこれから
マーケティングにおけるデータサイエンスの重要性がますます高まってくることは間違いないでしょう。特にデータを分析するということに加えて、将来を予測することが重要になってくるでしょう。そのためにはAIや深層学習などの領域が重要になってきます。今後はこれらの領域に知見のあるデータサイエンティストの需要が増してくるでしょう。