2025年03月04日
2025年の崖とは?
経産省レポートが提示した課題や
克服の方法・ツールを紹介
「2025年の崖」とは、経済産業省が2018年9月に公開した『DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』で提示したキーワードです。
本記事では、経済産業省配信の「DXレポート」の内容を踏まえながら、「2025年の崖」の克服方法を解説します。
「2025年の崖」とは
現在、国内企業の多くは、老朽化したITシステムを抱えています。
このまま既存のシステムを使い続けていると、データ活用を円滑に行えなくなるでしょう。
「DXレポート」では、データ活用ができない場合、デジタル競争の敗者となり、経済的損失を被る可能性があると予想しています。
その経済損失は、2025年以降は毎年約12兆円にも上ると試算されています。
日本の2024年度の予算案は約112兆円ですから、毎年約12兆円もの損失は莫大であることは明白です。
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「2025年の崖」が生まれた背景
経済産業省が警鐘を鳴らしている「2025年の崖」の根本的な原因は、企業の「レガシーシステム」にあるとされています。
レガシーとは、英語で『遺産』という意味です。
かつて構築した遺産のようなシステムを使い続けていることが「2025年の崖」の根本的な原因の1つとされています。
原因が明らかになっていながら、「2025年の崖」が放置されたままの状態になっている背景には3つの理由があります。
1つ目の理由は、日本のITエンジニアは、ユーザー企業よりもベンダー企業に多く所属していることです。
ユーザー企業がシステムを導入する場合、ベンダー企業に委託・開発を依頼するため、ユーザー企業側にはITシステムに関するノウハウが蓄積しにくい傾向にあります。
自社にIT人材がいないことから、システム運用はベンダー企業に丸投げしている企業も少なくないでしょう。
トラブル発生時もベンダー企業に頼るため、自社のシステムにどのような課題があるのかを把握できず、システムの維持管理が困難になっています。
2つ目の理由は、レガシーシステム導入時に対応した従業員の退職などにより、蓄積してきたノウハウを失っている状態にあることです。
担当者が退職してしまうと、レガシーシステムがブラックボックス化してしまい、レガシーシステムからの脱却がより困難になります。
3つ目の理由は、これまで多くの企業が導入してきたWindows7などのシステムやアプリケーションのサポート期間が2025年で終了することです。
サポートが切れれば、修正プログラムが提供されなくなり、システムが大きな危機にさらされる恐れがあります。
サポート切れのシステムを元に構築されたレガシーシステムを使っていれば、サイバー攻撃される可能性も高まります。
サポート期間の終了によって発生するリスクを見据え、既存システム全体を見直す必要があります。
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「2025年の崖」を超えるためにかかるコストは
どれくらい?
レガシーシステムを刷新し、「2025年の崖」を超えるためには、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。
経済産業省の「DXレポート」では、システム刷新にかかるコストの例を、以下のように示しています。
・事例1(飲料品・小売業)
ホールディングス体制へ移行しながら30社以上の事業会社のシステム機能を洗い出して整理。
8年間で約300億円をかけて共通システム基盤を構築。
・事例2(運輸業)
7年間で約800億円かけて、約50年ぶりに基幹システムを刷新。運用コストを効率化し、生産性を向上につなげる。
・事例3(保険業)
約25年経過した基幹系システムを経営陣のプロジェクトのもとで、4〜5年で約700億円をかけてシステム刷新を断行。
DXレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~|経済産業省
DXレポート2(中間取りまとめ)|経済産業省
DXレポート 2.2(概要)|経済産業省
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「2025年の崖」に対する日本国内の現状
経済産業省が、DXレポートにおいて「2025年の崖」を指摘した理由は、世界の状況と比較して、日本国内の企業でDXが遅れをとっていることが挙げられます。
「2025年の崖」が迫る2024年現在、日本におけるDXの取組は着実に進んでいます。
しかし、中小企業や生産性が低いとされるサービス業などでは、DXの取り組みは遅れています。
DXが進まない要因は、DXに対する知識や情報の不足、DXに取組む人材の不足などです。
企業が競争力を強化するためにDXは必須であることは認識しながらも、さまざまな課題を抱え、思うようにDXを進められていないのが日本国内の現状です。
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「2025年の崖」に指摘される問題点・課題
「2025年の崖」では、いくつかの問題点・課題が指摘されています。
崖を安全に乗り越えるためにも、クリアすべき問題点・課題について確認しておきましょう。
DXを推進する人材がいない
DXを推進する人材がいないことは、「2025年の崖」における大きな問題点です。
DXを推進するために必要なことは、レガシーシステムから脱することです。
現在のシステムの仕様を理解しつつも、最新のシステムの仕様も理解している人材がいなければ、新しいシステムに古いシステムのデータを載せ替えることはできません。
レガシーシステムの稼働期間が長ければ長いほど、そのシステムを理解し操作できる人材は、転職や退職などで社内には不在となっている可能性が高いでしょう。
新たにDX推進のための人材を雇用したとしても、レガシーシステムについて詳しく教えられる人がいなければ、古いシステムの仕様から学ばなければなりません。
DX推進のために企業への入社を決めた従業員である場合は、古いシステムのことから着手せねばならず、やる気をそがれてしまう可能性もあります。
レガシーシステム維持費が足かせ
一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会の「企業IT動向調査報告書 2017」には、国内企業のIT関連費用のうち約80%が現行ビジネス(システム)の維持に割り当てられていると書かれています。
このままでは、将来を見据えた戦略的なIT投資ができない状況です。
DX推進のためには、レガシーシステムからの脱却が求められています。
既存システムの現状と課題については「DXレポート」でもう一度確認してみましょう。
引用元:DXレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~|経済産業省
ベンダー企業のビジネスモデルが受託型
「DXレポート」では、ベンダー企業への分析も行われています。
ベンダー企業がユーザー企業から受託したシステム開発を行い、保守・管理するというビジネスモデルを続けていては、ビジネス規模が縮小し、競争力が失われていくと指摘しています。
「2025年の崖」を越えていくには、IT産業自体の改革が必要だと言っているに等しいでしょう。
新しい技術に対応したビジネスモデルの変更が困難
長年、レガシーシステムを活用していた場合、新たな技術を導入したビジネスモデルへの参入が困難になる点も「2025年の崖」で挙げられている問題点です。
レガシーシステムが現役で活用されているため、新しい技術に目がいきにくい状況にあることが原因といえるでしょう。
目まぐるしく市場が変化している中、新しい技術に柔軟に対応し、新たなビジネスモデルを構築していくことが、企業の存続につながります。
サイバーセキュリティなどのリスクの高ま
「2025年の崖」では、レガシーシステムの使用によるサイバーセキュリティなどのリスクの高まりも問題視されています。
レガシーシステムが稼働している企業では、DXを推進する人材がいないばかりか、これまでITを担当していた人材も、退職あるいは高齢化している状況にあるのではないでしょうか。
レガシーシステムは、セキュリティが弱いこともあり、サイバー攻撃を受けやすい傾向があります。また、IT人材不足により、攻撃を受けた際のシステム復旧ができないというリスクも抱えています。
各種システムのサポート終了
先述したWindows7などのシステムやアプリケーションのサポート期間終了だけでなく、ITの進歩に伴い、今後も各種システムのサポート期間が終了する可能性があります。
新たなシステムへ移行する準備が整っていれば問題ありませんが、さまざまな事情により移行が間に合わない企業もあるでしょう。
サポートが終了した後でのシステム移行では、企業の資産ともいえる、重要なデータが危険にさらされる恐れがあります。
IT市場の変化
世界的なIT市場の変化に乗り遅れてしまうことも「2025年の崖」の問題点として指摘されています。
IT市場は進化を続けており、2025年には既存のITサービスが成熟し、クラウドを活用したデジタル市場が拡大すると予想されています。
企業がレガシーシステムを使い続けていては、IT市場の変化に対応ができません。企業のITを支えるベンダー企業も、レガシーシステムの保守・管理業務などの受託業務から脱却できないため、クラウドベースのデジタル市場に参入できないという状況に陥ってしまいます。
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「2025年の崖」克服に向けたDX実現シナリオ
さまざまな要素が積み重なってできた「2025年の崖」ではありますが、その崖を越えていく方法を「DXレポート」は下図のように示しています。
「DXレポート」に描かれたDX実現シナリオは、あらゆるユーザー企業をデジタル企業に変え「2025年の崖」を飛び越えるだけでなく、2030年の実質GDPを130兆円超に押し上げたいというものです。
引用元:DXレポート ~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~|経済産業省
「2025年の崖」を克服し、DXを実現するためのシナリオの中身を紹介します。
DX推進ガイドラインの策定
「DX推進ガイドライン」とは、経済産業省がかつてインターネット上に掲載していたものです。
現在は「デジタルガバナンス・コード」と「DX推進ガイドライン」を統合し「デジタルガバナンス・コード2.0」として配信されています。
さらに、経済産業省のホームページからは、日本国内の421万企業のうち99.7%を占める中小企業などに向けた「中堅・中小企業等向け『デジタルガバナンス・コード』実践の手引き2.1」のダウンロードも可能です。
中小企業がDXに取り組む事例なども紹介され、理解して取り組みやすい資料にまとまっていますので、まずはチェックすることをおすすめします。
読み進めながら、自社の抱える課題とDXで解決できることについてイメージを膨らませてみましょう。
DX推進指標の活用
「DX推進指標」とは、経済産業省が公開したDX推進状況を自己診断できるツールです。
提示された問いに回答していくことで自社の状況をつかむことができます。
さらに、情報処理技術者試験などを実施する「独立行政法人情報処理推進機構」(IPA)に自己診断の結果を提出すると、ベンチマークが提供され、自社と他社とのDX取り組みの差を把握することが可能です。
DXの取り組み状況や他社とのギャップを客観的に認識して、DXをさらに進めるために活用していきましょう。
ITシステムの刷新
DXを推し進めていくためには、レガシーシステムから脱却し、最新のITシステムに切り替える必要があります。
しかし、ITシステムの刷新には時間やコストに加え、リスクも伴います。
このような投資とリスクを最低限に抑えるため「DXレポート」では以下のような対策を提案しています。
1.新システムで実現するゴールイメージを共有する
2.不要なシステムは廃棄し、刷新前には軽量化する
3.マイクロサービスによる段階的な刷新やテスト環境で拡張性の確認をする
4.協調領域で共通プラットフォームの活用を検討する
ベンダー企業との新たな関係
これまで単に委託・受託関係にあったベンダー企業との関係も、DX推進のために新たな関係の構築が必要となるでしょう。
「DXレポート」では、ベンダー企業に向けてもメッセージが出されており、ユーザー企業の開発サポート時は「プロフィットシェアできるパートナーの関係」となることをすすめています。
DX人材の育成・確保
「DXレポート」ではユーザー企業に対し、人材や資金を維持・保守業務から新たなデジタル技術の活用にシフトすることや、デジタルネイティブ世代の人材を中心にした新ビジネス創出をすすめています。
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DXを推進するツール / ソリューション
「2025年の崖」を乗り越えるためには、DXに取り組むことが重要です。
さまざまな業界・企業に向けて、DXを推進するためのツールやソリューションが続々と登場しています。
DXを推進する主なツールやソリューションを紹介しますので、チェックしてみましょう。
クラウドサービス
クラウドサービスとは、インターネットを介してデータベースやサーバー、ストレージなどを利用できるサービスです。
近年は、個人での利用も進んでおり、なじみのあるDXツールといえるでしょう。
企業がクラウドサービスを利用するメリットは、導入時のコストが抑えられることです。
月額や年額で支払うタイプのものが多く、必要に応じた利用料金にアップデート費用も含まれているケースもあります。
事業規模に合わせて、プランの拡大・縮小もできるため、最適なサービスを利用できます。
CRM(顧客関係管理)システム
CRM(顧客関係管理)システムとは、顧客情報をさまざまなデータと一元管理することで、営業活動の効率向上をサポートするシステムです。
営業活動のプロセスを顧客情報のデータと共に記録できれば、顧客ニーズを正確につかみ、適切なタイミングで最適な提案を行えます。
CRMシステムの活用により、売上と顧客満足度のアップを目指せます。
ペーパーレスソリューション
ペーパーレスソリューションとは、従来、紙を使ってやりとりしていたことを、データ上で完結させるソリューションです。
紙の使用量や紙類を取引先に届けるための送料などを減らすことができ、作業にかかる人件費も削減できます。
帳票管理システムを活用すれば、帳票の作成だけでなく、発行や支払い状況などの管理が可能となり、膨大な帳票を保管するスペースも不要です。
契約書の作成から署名の依頼まで行える電子署名サービスも登場しています。
書類データを保管するオンラインストレージサービスも、ペーパーレスソリューションの一種であるといえるでしょう。
オンライン環境を用意できれば、社内外のあらゆる場所からデータにアクセスしたり、データを更新・共有したりすることが可能です。
BI(ビジネスインテリジェンス)ツール
BI(ビジネスインテリジェンス)ツールとは、企業内の各部署が保有するデータを収集・分析し、経営の意思決定をサポートするためのツールです。
単独のデータだけでなく、収集・蓄積した複数のデータを掛け合わせた分析もできます。
分析結果をビジュアル化することも得意なため、データを読み解く時間を削減できます。
自動でレポートを作成する機能でレポートを定期発行し、経営判断の資料として活用することもできるでしょう。
AI
DXにはAI技術の導入も欠かせません。AIを活用することで、人手で対応していた業務を正確かつスピーディーに行うことが可能です。
従業員には人間でなければ対応できない業務に就いてもらうこともできるでしょう。
AIは、先述のペーパーレスソリューションでは企業に届いた帳票類を自動認識してデータ化することを可能にし、BIツールでもデータ分析を行うなど、ツールやソリューションにも取り入れられております。
IoT
IoT(Internet of Things:モノのインターネット)は、その名の通り、さまざまな機器をインターネット接続することです。
製造業などではセンサーや測定器を接続して状況確認を行ったり、スイッチを接続して遠隔操作をしたりしています。
IoTは機器とつなげるだけでは終わらず、得られたデータを収集・分析することで、業務の効率化やコスト削減などにも役立てられています。
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、金融業界などで、セキュリティ対策や取引の効率化などの目的で活用されている技術です。
ブロックチェーンでは、取引履歴である「ブロック」を過去の履歴と紐付け、過去の取引の改ざんがしづらい仕組みを築いています。
複数のシステムで情報を共有しているため、一部のシステムで不具合が生じても、システムを稼働し続けられることも特徴のひとつです。
食品業界のトレーサビリティーや製造業のサプライチェーン管理、著作権管理などの分野でも活用されています。
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まとめ
「2025年の崖」を克服していくためには、現状維持という姿勢では難しいことがわかりました。
自社にはレガシーシステムが放置されたままになっていませんか。
新たなシステムの候補として業界・業種に合わせた支援が可能な「J’s X」(ジェイズクロス)をおすすめします。
豊富な導入実績を元に企業・団体のあらゆる業務プロセスをシンプルにすることを可能にしたITソリューションです。
企業の業務ノウハウを蓄積・可視化することで、ビジネスの推進や改善に貢献します。
「J’s X」を利用して、自社に最適なシステムをストレスなく作ってみませんか。
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