2024年04月08日
DXとAIの関係性とは?
AI活用のポイントや成功事例をまとめて解説
近年、DX推進という言葉を耳にする機会が増えています。
DX推進に欠かせない手段のひとつとしてあげられるのが、AI技術の導入です。しかし、AI技術を導入するだけでは、DXは実現できません。
AI技術を最大限に活用してDXを実現するためには、DXとAIの関係性を正しく理解する必要があります。
今回はDXとAIの関係性やAIによるDX推進の重要なポイント、AIによるDX成功事例について解説します。
DXとAIの違い
DXとAI、どちらの言葉も聞いたことはあるものの、「意味の違いがわからない」「詳しくは理解できていない」という方は多いものです。
DXは「デジタル技術の活用によって、生活やビジネスが変容していくこと」、AIは「人間のように学習し、人間の代わりに実現する技術」を指す言葉です。
ここでは、DXとAIそれぞれの言葉の意味と関係性について、詳しく解説します。
DXとは
DXとは、「Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)」を略した言葉です。
DXの定義や解釈は多義的ではありますが、日本では経済産業省が2018年に発表した「DX推進ガイドライン」や「産業界のデジタルトランスフォーメーション」内では、下記のように述べられています。
“企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。”
日本におけるDXとは、単なるデジタル化ではなく、デジタル技術を活用してサービスやビジネスモデルを変革し、自社の競争力を高めることです。
経済産業省「DX推進ガイドライン」
経済産業省「産業界のデジタルトランスフォーメーション」
▼関連記事
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?意味や進め方などを解説
AIとは
AIとは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」を略した言葉です。日本では、「人工知能」とも呼ばれています。
AIという言葉の生みの親であるジョン・マッカーシー教授は、AIを「知的な機械、特に知的なコンピュータプログラムを作る科学と技術」と定義しています。しかし、AIの定義は曖昧で、研究者や専門家の間でも意見が定まっていないのが現状です。
AIの最大の特徴は学習能力です。人間のように自ら考え学習し、人の行動や言動を吸収、成長することができます。
DXとAIの関係性とは
DXの推進には、IoT、ビッグデータ、RPA、クラウドといった、最先端のデジタル技術が必要です。AIもそれら最先端のデジタル技術に含まれ、DX推進を行う手段のひとつです。
DX推進におけるAIの役割は、主にデータの分析や処理、予測です。人間では捌き切れないほどのビッグデータを短時間で処理することができ、業務の効率化やビジネス拡大が期待できます。
とはいえ、AIを導入しなくてもDXを実現できる可能性もあります。「AIの導入=DX実現」という関係性は成り立たないことを覚えておきましょう。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
DX推進にAI導入が必要となる理由
DX推進には、データを素早く正確に活用することが必須条件です。
しかし、近年はデータを活用する企業が増えたことで、保有するデータは膨大になり、人の手では処理しきれなくなっています。そこで、データの分析や処理を得意とするAI導入が必要とされています。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
AIでできること
AIには主に以下の能力があります。
・画像・映像認識
・音声認識
・言語解析
・数値予測
・ロボティクス
これらAIの能力を理解し、自社にAIを導入すべきか検討するとよいでしょう。ここでは、AIを導入することで可能な作業について、詳しく解説します。
画像・映像認識
AAIの画像・映像認識とは、コンピュータが画像や映像の中から物体や人物、またそれらの動作や状態を自動的に検出・認識する技術のことです。今まで目視で確認していた作業をAIに置き換えられます。
AIによる画像・映像認識は、膨大な画像や映像データを学習することで実現できます。自動車の安全性検出や監視カメラの映像解析が主な具体例です。
AIを導入する際は、画像・映像認識の技術力よりも、導入コストと比較した自社への効果を判断した上で導入するとよいでしょう。費用に対して業務改善などの大幅な効果が見込まれれば、検討する上で十分な判断材料となります。
音声認識
AIの音声認識とは、音声を自動的に認識する技術です。人間が発した言葉を音声データとして認識し、言語に変換することでテキストデータ化します。
単純な聞き取り能力であれば、人間が実際に耳で聞くよりも優れているといわれており、AIの音声認識機能は、さまざまな分野で活用されています。議事録の自動生成や動画からの文字起こしなどが具体的な例です。
AIは、音声データをテキストデータに変換するといった単純な聞き取り能力には大変優れています。しかし、音声データの内容や意味を理解し、適切な返答を行うといった能力はまだ不十分であるといえるため、活用業務の選定は慎重に行った方がよいでしょう。
言語解析
AIの言語解析では、音声データ内にある言語の構造や文法、単語の意味などを理解します。自動翻訳システムやチャットボットが主な代表例です。人間が発した言葉に対する意味を理解し、それに対する適切な返答やアクションを行います。
前述のとおり、AIの言語解析能力は不十分な点も多いのが事実です。あいまいな言葉の意味を理解し、それに対して求める回答を行うことはまだ苦手としています。
ただ、Q&Aや翻訳など、特定の事柄に特化した言語解析であれば十分に活用できるスペックを持っています。限定的な範囲内での言語解析は可能であるため、導入できる業務があれば検討してみるとよいでしょう。
数値予測
あらかじめ用意したデータをAIが分析し、将来的な予測を行うこともできます。データの中から自動的に規則性や傾向を検出し、具体的な数値を提示することでビジネスへの活用が可能です。
具体的には、製造業や小売業における需要や売上の予測、マーケティングにおける顧客行動の分析などをビジネスに活用できます。膨大なデータ量を扱えるので、AI数値予測で得られたデータを意思決定の参考に活用できます。
数値予測はAIが得意とする分野ですが、提示するデータによって結果に大きく差異が生じることに注意が必要です。AIに適切な問題提示ができる能力が必要となるでしょう。
ロボティクス
ロボティクスとは、ロボットの設計・制作・制御を行うロボット工学のことです。厳密にいうと、AI分野とは異なりますが、今後AIを兼ね備えたロボットの活用が加速していくと考えられています。
現在は物の運搬や、工場での作業など、産業分野における目的特化型のロボットが活用されている状況です。ロボティクスとAIの融合によって、得られたデータをAIで分析し、適切な動作を行うといった高度なロボットの開発が一般的となるでしょう。
AIの一般的な導入フロー
AIを導入する場合は、主に以下のような流れで行われます。
1.データ収集
2.アルゴリズム開発
3.学習・テスト
4.実業務への適用
各流れの詳しい内容について、解説します。
データ収集
AIはデータを読み込み、蓄積することで学習をしていきます。そのため、まずはAIに学習させるための、データ収集を行うことが先決です。既に手元にデータがある場合はよいですが、ない場合は今後必要と考えられるデータの定義や蓄積方法を検討しておくとよいでしょう。
データ収集はAI導入後、継続的に実施していく必要があります。多くの労力を必要としますが、システム部門への相談など、協力し合いながら取り組み方法を検討していくことがおすすめです。
アルゴリズム開発
次に、機械学習アルゴリズムを用いて、AIのプログラムを作成します。アルゴリズムには、さまざまな種類、得意分野や不得意分野があるため、目的に応じたアルゴリズムを選択するとよいでしょう。
アルゴリズム開発には、プログラミングなど専門的な知識が必要です。エンジニアの力を借りたり、SaaSやパッケージ型のAIを必要に応じて利用したりすることでよりスムーズな開発につなげられます。
ただ、こうした手段の利用には費用がかかります。どの程度の初期投資を行うか検討したり、費用対効果を見極めたりした上で利用を進めることが重要です。
学習・テスト
アルゴリズムの開発が完了したら、実際にAIにデータを与えて学習させ正常に動作するのか確認します。学習後、テストデータを用いてAIが正確な情報を示しているのかテストしましょう。
AIの精度は一般的に100%なることはないといわれています。できる限り高い精度を目指して、アルゴリズムの調整や与えるデータを変更し改善を進めてみるとよいです。
実業務への適用
テストを実施し、十分な精度が確認できたらAIの実装に移りましょう。業務の全てにAIを導入するのではなく、スモールスタートで、まずは一部の業務から進めていくことが重要です。
AIの導入だけで満足せず、定期的なチェックやモニタリングを行う必要もあります。誰が・いつ・どのような方法でAIの動作確認を行うのかをあらかじめ決めておくとスムーズです。精度が低下したり、業務環境が変化したりした場合は、データやアルゴリズムの再考が必要になります。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
AIによるDX推進の重要なポイント
AIはDX推進の手段であることを理解したうえで、AIによるDXを実現するためにどのようなことに気をつけるべきか、重要なポイントを確認しておきましょう。
DX推進・AI導入の目的を明確にする
AIによるDX推進において、最も重要なのが目的を明確にすることです。
あくまでもDXはビジネスモデルを変革して自社の競争力を高めるための手段であり、AI導入はDXを実現するための手段です。「DXを推進すること」「AIを導入すること」が目的とならないよう注意しましょう。
まずは、DXによって目指したい企業価値は何なのか、そのための課題や問題点はどこにあるのかなどを具体的にし、DX推進・AI導入の目的を明確にしましょう。
AI導入に必要なリソースや技術を把握する
AIを活用するリソースや技術がなければ、いくら最先端のAIを導入したとしてもDXは実現できません。DXの推進とAI導入の目的が明確となったら、それらを実現するために必要なリソースや技術を把握しましょう。
自社のリソースや技術に不足がある場合は、AI導入前に解消しなくてはなりません。具体的には、DX推進及びAI導入のための体制構築やガバナンスの整備、人材や予算の分配などがあげられます。これらの取り組みは、経営陣が率先して取り組む姿勢が必要です。
データの収集
AIによりデータ分析を行うためには、データ収集が必要不可欠です。基礎となるデータが不十分である場合、質の高い分析結果は得られません。
自社にデータが蓄積されていない状態であるのなら、まずデータを収集することからはじめましょう。必要となるデータは業務によって異なりますが、分析結果や予測の制度を高めるためには、より質の高いデータを収集する必要があります。
AIによるDX推進の実現には、データをどの程度収集できているかが鍵を握るのです。
セキュリティ対策
AIで使用されるデータは膨大で、種類や形式もさまざまです。このようなビッグデータと呼ばれるデータ群の中には、社外秘の情報や顧客情報などの機密データが含まれている場合もあります。
AIに活用するデータの扱いは慎重に行うとともに、万全なセキュリティ対策を行うことも重要です。サイバー攻撃などのIT災害などによって、機密データが盗まれたり紛失したりすることを防げます。
トライ&エラーを意識して進める
AIの導入に関わらず、新規システムを導入したり新しい試みを行う場合は失敗が付きものです。AIは特に、実際にデータを学習させるまで精度が不明確な点も多く、入念な準備を行ってもスムーズに進まないことがあるかもしれません。
AI活用は、小さな取り組みからスタートさせることが重要です。定期的なチェックやモニタリングを行いながら、適宜修正を加えつつ、トライ&エラーで自社に合ったAI導入を進めていくとよいでしょう。
AI人材の確保・教育
AI人材とは、AIに関する深い知識を持っているだけなく、AIシステムの構築や運用ができ、その技術をビジネスに活かすことができる人材を指します。
AIによるDX推進には、AI人材の確保も必要です。DX推進を外部に委託する場合でも、発注先企業の担当者と会話が成立する程度のAI知識が求められます。
日本のAI人材の不足は深刻化を増し、多くの企業がAI人材の確保に苦戦しているのが現状です。そのため、企業はAI人材を確保するだけでなく、社内におけるAI人材育成の必要性も高まっています。
自社のDX推進に貢献してもらえるよう、AI人材の教育及び育成にも注力しましょう。
支援するパートナー企業に依頼するという手も
経済産業省は、DXの実現を妨げる要因として人材不足をあげています。
自社でAI人材の確保や育成が難しい場合は、パートナー企業に依頼するのもよいでしょう。社内に足りない人材やスキルを明確化しておくことで、自社に合う企業を選定しやすくなります。
AIについての深い理解があり、さまざまなプロジェクト実績のあるパートナー企業と提携できれば、より一層DXの実現が期待できます。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
AIによるDX推進の成功事例
AIによるDX推進に取り組むにあたり、成功事例を参考にするとよいでしょう。
ここでは、人々の暮らしの中にある、AIによるDX推進の成功事例について紹介します。
無人決済システム
「無人決済システム」とは、カメラやセンサーから取得されるデータの活用により、商品を手に取るだけで自動会計ができる技術です。
無人決済システムの代表的なサービスとしてあげられるのが、ウォークスルー型の完全キャッシュレス店舗「TOUCH TO GO」です。
レジを通り過ぎるだけで決済が完了するため、有人レジよりも短時間での買い物が可能となります。省人化・省力化で店舗運営コストも削減でき、人材不足解消にもつながります。
介護ロボット
「介護ロボット」とは、要介護者の排泄や入浴、コミュニケーションといった、特に人的負担がかかる分野の負担軽減を目的に開発されたロボットです。介護ロボットにはさまざまな目的や用途に合わせた種類があり、AIを搭載した介護ロボットも開発されています。
コミュニケーション専用の介護ロボット「PALRO」や要介護を見守る「AiSleep」などが、実際に導入された介護ロボットです。
介護業界の慢性的な人手不足を打破するために、厚生労働省でも介護ロボットの開発と普及が促進されています。
待ち時間予測システム
NECによって開発され、羽田空港国際線旅客ターミナルの空港保安検査場内に提供された「待ち時間予測システム」も、AIによるDX推進の成功事例です。
このシステムによって、2箇所ある検査場の混雑状況がリアルタイムに分析され、待ち時間の予測が可能となりました。
利用者は表示される混雑状況を見て、2箇所ある検査場のどちらを利用するべきかを判断できるため、利便性の向上が図れます。検査場の利用率平準化は、航空機運航の遅延減少にもつながっています。
スマートスピーカー
人々の暮らしでもAIによるDXが進んでいます。代表的なものとしてあげられるのが、Google Home(グーグルホーム)やAlexa(アレクサ)といった「スマートスピーカー」です。
スマートスピーカーとは、対話型の音声操作に対応可能なAIアシスタントを搭載しているスピーカーです。音楽を再生するだけでなく、「ニュースを読んで」「今日の天気は?」と音声で操作するだけで、自動的に必要な情報を読みあげてくれます。
家電操作やメッセージの送信が可能なスマートスピーカーもあり、人々の暮らしをより豊かにしてくれます。
チャットボット
「チャットボット」とは、AIを活用した自動会話プログラムです。想定された質問やその質問に対する答えなど、会話に必要なデータをAIに学習させることで、ユーザーからの質問に自動で返答が可能となります。
チャットボットの導入は、スタッフの負担軽減やコスト削減につながります。24時間365日問い合わせができることから、ユーザーの満足度向上も期待できるでしょう。
チャットボットは、カスタマーセンターだけでなく、自治体のDX推進としても導入されています。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
まとめ
AIはDX推進を実現するための一手段ではあるものの、導入だけではDX推進の実現は目指せません。
AIによるDX推進には、まずDX推進の目的を明確にし、AI導入に必要なリソースを整えることが必要です。さらに、AIに必要なデータ収集や人材確保を行うことで、DX推進の実現が確実なものとなるでしょう。
DX推進を検討しているなら、豊富な導入実績を元に企業・団体のあらゆる業務プロセスをシンプルにすることを可能にしたITソリューション『J’s X(ジェイズクロス)』の導入を検討してみませんか。
『J’s X(ジェイズクロス)』は、業界・業種に合わせた支援が可能なため、IT人材とともにDXの推進を目指せます。ぜひ一度お問い合わせください。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
