2025年03月17日
DX推進における日本の課題とは?
解決に導く方法や注意点・事例を紹介
現在日本では、DXに取り組みはじめる企業が年々増加しています。
実際に取り組みはじめると、DX推進における課題も明らかになってきました。
本記事では、DX推進における課題にはどのようなものがあるのか、課題をどのように解決すればよいのかについて解説します。
DX推進の際の課題を知りたい方はもちろん、DXの課題に直面し悩んでいる方も、本記事を参考にしてみてください。
DX推進とは
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、最新のデジタル技術を駆使して、組織の業務プロセスやビジネスモデルに革新をもたらす取り組みです。この変革は、主に3つの領域で進められています。
まず1つ目に、プロセスDXがあります。
これは、従来の仕事の進め方を刷新するアプローチです。デジタル技術を既存の業務フローに導入することで、効率性の向上や業務改善を実現します。具体例としては、業務の可視化やタスクの自動化、組織内での知識共有の促進などです。
2つ目に、ワークスタイルDXがあります。
これは、従業員の働き方を変革する取り組みです。
デジタルツールを活用して、時間や場所の制約を緩和し、多様な人材が活躍できる環境を整備します。
例えば、テレワークの推進やタレントシェアリングの導入、従業員体験(EX)の向上などが挙げられます。
3つ目は、ビジネスDXです。
これは、デジタル技術を活用して新たな事業機会を創出したり、既存のビジネスモデルを革新したりする取り組みです。
新規事業の開発や、現行のビジネスモデルの抜本的な見直しなどがあります。
これら3つの領域におけるDX推進により、企業は競争力を強化し、急速に変化する市場環境に適応することができます。
デジタル技術の戦略的な活用は、組織全体の変革を促し、持続可能な成長を実現する鍵となるのです。
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DX推進が求められている理由・背景
デジタル技術の急速な進歩に伴い、企業を取り巻く環境が劇的に変化しています。
この変革の波に乗り遅れないためには、DXの推進が不可欠です。その背景には、以下のような要因があります。
デジタル競争力の強化
経済産業省が警告する「2025年の崖」は、日本企業のデジタル化の遅れがもたらす深刻な経済的損失を示しています。
年間12兆円もの損失を回避するため、企業はDXを通じて競争力を高める必要があるのです。
消費者行動の変容
スマートフォンの普及により、人々の生活様式が大きく変わりました。
購買、コミュニケーション、情報収集など、あらゆる活動がスマートフォンを中心に行われています。
企業はこの新たな消費者行動に適応するため、デジタル戦略の刷新が必要です。
ビジネスモデルの変革
デジタル技術は既存のビジネスモデルを根本から覆しつつあります。
従来のビジネスモデルでは生き残れない時代に突入し、企業は抜本的な変革を迫られているのです。
働き方改革の推進
新型コロナウイルス感染症対策や、BCP(事業継続計画)の観点から、テレワークの導入が加速しています。
これに伴い、業務プロセスのデジタル化やデータ管理システムの構築が急務となっています。
こうした多面的な要因が絡み合い、企業にDXの推進を強く促しているのです。
時代の変化に即応し、持続可能な成長を実現するためには、デジタル技術を活用した経営革新が不可欠となっています。
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日本におけるDX推進の現状
「一般社団法人日本能率協会」が2022年に行った調査によると、55.9%の企業がDXへの取り組みをすでにスタートさせていることがわかりました。
この割合は過去3年で2倍近くになっています。
従業員規模別に比較すると、DXの取り組みをはじめている企業の割合は以下のとおりでした。
・大企業(従業員数 3,000 人以上):8割以上
・中堅企業(従業員数 300 人以上~3,000 人未満):6割程度
・中小企業(従業員数 300 人未満):4割程度
まだ取り組めていない場合でも、「検討を進めている」「これから検討する」と回答した企業は多く、企業の規模に関わらずDXに高い関心があることが明らかです。
引用元:一般社団法人日本能率協会「『日本企業の経営課題 2022』 調査結果速報 【第 1 弾】」
同調査では、DXの取り組みによって成果が出ているかどうかも尋ねています。
それによると、DXによる成果を感じている企業は、前年より11.8%増え、全体の7割を超えました。
とはいえ、「おおいに成果が出ている」「成果が出ている」と回答した企業は比較的少なく、成果を感じている企業の半数以上が「ある程度の成果が出ている」との回答でした。
現段階では、多くの企業がDXの推進途上であることが伺えます。
引用元:一般社団法人日本能率協会「『日本企業の経営課題 2022』 調査結果速報 【第 1 弾】」
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DX推進の課題
先ほど紹介した調査では、DX推進の課題についても尋ねています。
その結果から、以下のような点を課題として認識している企業が多いことがわかりました。
・DXに対するビジョンや経営戦略が明確になっていない
・DX人材が足りない
・社内関係部署における情報の共有・連携ができていない
・経営資源の投入ができていない
ここからはDX推進における上記4つの課題について、くわしくみていきます。
引用元:一般社団法人日本能率協会「『日本企業の経営課題 2022』 調査結果速報 【第 1 弾】」
引用元:一般社団法人日本能率協会「『日本企業の経営課題 2022』 調査結果速報 【第 1 弾】」
DXに対するビジョンや経営戦略が明確になっていない
「DXに対するビジョンや経営戦略が明確になっていないこと」は、DX推進において大きな課題となっています。
実際、前出の調査では7割近くの企業が「DXに対するビジョンや経営戦略、ロードマップが明確に描けていない」という課題を抱えていることがわかりました。
そもそもDXは、単なるデジタル化を意味するのではなく、IT技術の導入や業務改善を通して、企業全体に変革をもたらすことを意味します。
ビジネスに変革を加えるには、ビジョンや経営戦略を明確に確立することが重要です。
ビジョンや経営戦略があいまいなままDXを進めてしまうと、ある程度の成果で満足してしまうケースも出てくると考えられます。
企業全体の変革にまで至らず、結果的に中途半端な状態で終わってしまうかもしれません。
DX人材が足りない
「DX人材が足りないこと」も、DX推進における大きな課題といわれています。
前出の調査でも、「DX 推進に関わる人材の育成が思うようにできていない」「DX 推進に関わる人材の採用が思うようにできていない」ということに課題を感じている企業は、いずれも8割超となっています。
DX人材には、ITやDX、自社の業務に関する知識のほか、変革を起こすマインドセットなども必要です。
DX人材の絶対数が足りないこともあり、現在、多くの企業でDX人材を確保することが急務となっています。
▼関連記事
DX人材とは?必要なスキルやマインド・採用 / 育成の方法について解説
社内関係部署における情報の共有・連携ができていない
DX推進の課題には「社内関係部署における情報の共有・連携ができていないこと」も挙げられます。
前出の調査において、「社内関係部署の連携が十分にできていない」ことを課題として認識している企業は半数以上でした。
2021年より減少しているものの、依然課題として認識している企業は多いようです。
DXは全社的な取り組みであるため、部署間での情報共有や連携が欠かせません。
しかし部署によっては、DX推進への抵抗感があったり、DXを推進しないことへの危機感が少なかったりすることもあるでしょう。
部署間でDX推進についての温度差があると、スムーズに連携できず、DXの推進が難しくなることが予想されます。
経営資源の投入ができていない
「経営資源の投入ができていないこと」もDX推進の課題のひとつです。
具体的には、DX推進やDX人材確保のための資金不足が挙げられます。前出の調査では、「経営資源の投入が十分にできていない」ことに課題を感じている企業が過半数を占めました。
経済産業省の資料(デジタルトランスフォーメーションに向けた課題の検討)によると、現在、企業が使うIT関連費用の80%が既存システムの維持管理に使われています。
新たにDXを推進するための資金は20%ほどしか残されておらず、多くの企業で戦略的なIT投資ができていないのが現状です。
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DX課題を解決するにあたっての注意点
次に、DX課題を解決するにあたって、とくに注意すべき点をみていきましょう。
DX推進自体を目的としない
DXを進める上で陥りやすい誤りの1つに、手段と目的の取り違えがあります。
本来、DXはビジネスの根本的な変革や競争力強化のための手段であり、それ自体が目標ではありません。
しかし、多くの企業がデジタルツールの導入だけで満足してしまい、真の目的を見失っています。
例えば、単に紙ベースの業務をデジタル化しただけで、その効果を測定せずに終わってしまうケースが散見されます。
重要なのは、導入したツールや技術が実際にどのように企業価値を高めているかを常に検証することです。
DXの取り組みが本当に意味のあるものになるためには、明確な目標設定と、その達成度を継続的に評価する姿勢が不可欠です。
DX推進は継続的に行う
DXを一時的なプロジェクトや単発の取り組みとして扱うことは、長期的な成功を阻害する要因となります。
技術やマーケットの急速な変化に対応するためには、DXを継続的な経営課題として捉える必要があります。
一度成果が出たからといって、そこで満足して努力をやめてしまうのは危険です。
DXを通じて持続的な成長を実現するには、組織全体でDXの重要性を理解し、日々の業務の中で改善を続けていく文化を醸成することが重要です。
これには、経営層のコミットメントはもちろん、現場レベルでの意識改革も欠かせません。
重要なのは、DXが一時的なものではなく、企業の長期的な成長にとって不可欠な要素であることを明確に示すことです。
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DX推進の課題を解決に導く方法
DX課題を解決するにあたっての注意点を念頭に置きながら、次は具体的な解決策について考えていきましょう。
ここからは、DX推進の課題に対する解決のヒントをお伝えします。
DXに対するビジョンや経営戦略の明確化
「DXに対するビジョンや経営戦略が明確になっていない」という課題を抱えている場合は、とくに経営層がDXについてより深く考える必要があります。
DX戦略の方向性を明らかにするため、以下のようなことを検討しましょう。
・どのような価値を創出するのか
・どのような変革を起こすのか
・どのようなビジネスモデルを思い描いているのか
経営層が目的を周知する
ビジョンや経営戦略が明確になったら、経営層がそれらを周知することが不可欠です。
実務を担う従業員への影響が最も大きいため、経営層は全社的に目標とメリットを伝える必要があります。
ビジョンが不明確だと抵抗を招き、進捗が滞る恐れがあります。
DXの必要性や具体的な利点を丁寧に説明することで、社員の理解が深まり、組織全体での取り組みが活性化するでしょう。
従業員の共感と協力を得られれば、DX推進はより円滑に、そして効果的に進めることができます。
現状の把握と課題の抽出
DXを成功させるためには、組織の実態を正確に理解することも欠かせません。
デジタル化による業務改革やビジネスモデル刷新に向けて、現在の状況と課題を徹底的に分析しましょう。
改善が必要な点や今後の方向性を明確にし、古くなった社内システムも見直す必要があります。
この過程では、DX担当部署や経営陣だけでなく、現場の意見を直接聞くことが重要です。
実務上の問題は、現場で働く従業員にしかわからないことが多いためです。
アンケートや面談を通じて、現場の生の声を集めることで、より実効性の高いDX戦略を立案できるでしょう。
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DX人材の採用と育成
「DX人材の不足」に課題を感じている場合は、人材確保の方法を模索することが必要です。
人材確保には以下の3つの方法が考えられます。
・DX人材の採用
・DX人材の育成
・アウトソーシング
それぞれみていきましょう。
DX人材の採用
DXの推進に早めに着手したい場合は、新たにDX人材を採用する方法が有効です。
この方法の大きなメリットは、すでに専門的なスキルや知識を有する人材を採用できる点です。
とくに、プログラマーやエンジニアといった、ハイレベルかつ専門的なスキルや知識を要する職種は、育成するにも時間を要します。
このような人材を確保したい場合は、新たに採用する選択肢も検討してみるとよいでしょう。
ただし、DX人材の需要は高まっています。
そのため人材が流動的であることも否定できません。
優秀な人材を採用できるよう、働きやすい職場環境や正当な評価制度などを整える必要もあるでしょう。
DX人材の育成
自社のビジネスを理解している人とともにDXを推進したい場合は、既存の社員をDX人材に育成するのもひとつの方法です。
育成方法には以下のようなものがあります。
・勉強会・OJT・セミナーなどへの参加を促す
・社外の研修への参加を促す
・ベンダー企業へ出向させる
・資格取得のサポートをする
DX人材を育成しようとすると、どうしても時間がかかってしまいます。
短期間でDX人材を育成したいなら、ある程度のIT技術をもつ社員を育成し、専門的なスキルを身につけてもらうとよいでしょう。
DX人材を育成する場合は、育成対象者と育成方法の両方を検討することが必要です。
アウトソーシングという方法も
とにかく早くDXに着手したい場合は、IT経営の専門家やIT系のベンダー企業などにアウトソーシングしてもよいでしょう。
資金力は必要ですが、人的リソースを割くことなくスピーディにDXをはじめられます。
アウトソーシングする際に注意すべき点は、任せきりにしないことです。
任せきりになってしまうと、自社が思い描くDXを実現することは難しく、本来の意味でのDXを達成することはできないでしょう。
アウトソーシングしながらも、社内でDX人材を確保できる仕組みを整えることをおすすめします。
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DXを推進するための社内体制の確立
「社内関係部署における情報の共有・連携ができていない」という課題を感じている場合は、社内体制の整備を検討しましょう。
DXに対して部署間で温度差を生じさせないためにも、社員に対しても情報を共有することが大切です。
経営層は、社員に以下のような点について丁寧に説明しましょう。
・DXを推進するメリット
・DXを推進しない場合のリスク
・DX推進における自社のビジョンや経営戦略
社員は変化に不安を感じていることも多く、不安から抵抗感を示すケースもあると考えられます。
経営層は、社員の状況に寄り添いながら繰り返し説明し、社員の抵抗感を拭えるよう努める必要があります。
社員がDXの必要性を理解し協力してくれれば、社内での連携が容易になり、DXを進めやすくなるでしょう。
DX推進のための専門チームの立ち上げ
DXの成功のためには、専門チームの設立が不可欠です。DXは通常業務と並行して進めるのは困難であり、組織全体で取り組むべき重要なプロジェクトです。
このチームには、技術専門家だけでなく、データ分析のエキスパート、ITプロジェクトのリーダー、そして変革に抵抗する声を乗り越える力をもつ人材など、多様な人材が求められます。
新しい取り組みには常に反発が生じる可能性があるため、経営層の支持を得て、DXの目的を十分に理解したチーム構成が重要です。
このような専門チームの立ち上げにより、DXの実現に向けた効果的な推進が可能となるでしょう。
DX推進の優先順位をつける
DXの実現には多様な取り組みが必要です。
業務のデジタル化から、プロセス改革、サービス革新まで、幅広い施策が考えられます。
しかし、すべてを同時に進めると失敗のリスクが高まります。そのため、優先順位の設定が重要です。
優先度を決める際は、課題の重要性やコストに加え、実現までの期間も考慮すべきでしょう。
長期間を要する施策は、初期段階では優先度を下げるのが賢明です。
DX推進の初期では、小規模なプロジェクトから着手し、成功体験を積み重ねると効果的です。
これにより、リスクを最小限に抑えつつ、組織全体のDXへの理解と準備を進められます。段階的に行うことで、持続可能なDX推進が可能になるでしょう。
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DXを推進するためのシステムの導入
「経営資源の投入ができていない」という課題を抱えている場合は、既存システムの見直しや新システムの導入が効果的です。
先ほども紹介したように、現在IT関連費用の80%が既存システムに使われており、多くの企業が新たなシステムの導入ができない状況です。
このような状態を解決するには、既存システムの現状や問題点を正しく把握することが求められます。
そのうえで、自社の変革に対応できるか、新たに導入するシステムとの連携ができるかなどの観点から、既存システムを残すべきなのかを判断します。
既存システムでDXに対応できそうにない場合は、新たなシステムの導入も検討する必要があるでしょう。
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PDCAサイクルを回す
DXの真の成功には、継続的な改善と長期的な展望が欠かせません。
単にシステムを新しくしたり、業務フローを変えたりするだけでは不十分です。
常にPDCAサイクルを意識し、絶え間なく改善していくことが重要です。
PDCAサイクルを考えずに進めると、DXの効果を正確に把握できず、お金や時間を無駄にしてしまう危険性があります。
一方、PDCAサイクルを継続することで、新たな問題に柔軟に対応し、戦略を改善することが可能です。
長期にわたるこの取り組みにより、業務プロセスと顧客へのサービスが洗練され、顧客満足度と市場競争力の向上につながります。
DXは一過性の変革ではなく、持続的な成長の原動力なのです。
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DX推進の課題解決の参考にすべき成功事例
DX推進に際し、ほとんどの企業がなんらかの課題を抱えていることでしょう。
しかしそのような状況の中でも、うまく課題を解決しDXを成功させている企業はたくさんあります。
【DX推進の成功事例13選】国内・海外の事例をさまざまな業種別に紹介の記事ではDXの成功事例を13例紹介しています。
課題解決の参考としても役立ちますので、ぜひご覧ください。
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まとめ
現在の日本において、DXの必要性はかなり浸透しており、DXに取り組みはじめている企業も増えています。
その一方で、課題に直面し、思うように進まないと悩んでいる企業も多いようです。
本稿を参考に、自社の抱える課題に取り組んでみてください。
DX推進のためのシステムをご検討なら「J’s X(ジェイズクロス)」がおすすめです。
あらゆる業務で横断的に使えるシステムとなっています。
DX推進を効率的に進めたいとお考えの方はぜひご検討ください。
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