2025年03月18日
DX推進に必要なデジタル技術とは?
代表的な技術や活用事例もあわせて紹介
近年、DX推進が求められ、DXに取り組む企業は増加しています。
DXに必要な技術やその用途は多岐にわたるため、業務内容や目的などを十分に考慮したうえで、自社に適したテクノロジーを選定することが重要です。
本記事では、DXに必要なデジタル技術とその活用事例をご紹介します。
DXについての知識を深め、自社での導入イメージを膨らませましょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
新しいデジタル技術を利用して、今までにないビジネスモデルを構築しようとする新規参入者が出現し、大きな変革が起きています。
このような状況下で、企業は競争力を維持・強化するために、DXを迅速に進める必要があるでしょう。
DX実現のため、経済産業省は2018年に「DX 推進ガイドライン」を策定しました。このガイドラインの中で、DXは次のように定義されています。
「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
また経済産業省は、産業界のDXを推進するため「デジタルガバナンス・コード」に基づいたさまざまな施策を展開しています。
経済産業省「DX 推進ガイドライン」「産業界におけるデジタルトランスフォーメーションの推進」
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DXに必要な代表的技術
DXに必要なデジタル技術にはさまざまなものがあります。
それぞれの技術を最大限に活用するためには、各々の特徴や違いを適切に理解し、具体的な活用方法や発展の可能性を検証することが重要です。
ここでは、代表的な10個の技術についてご紹介します。
IoT
IoTは「Internet of Things」の略称であり、「モノのインターネット」とも呼ばれています。
これは、家電や自動車などのさまざまなモノや装置にインターネットを介して接続することで、リアルタイムで情報を収集し、制御することを可能にする技術です。
モノ自体がインターネットに接続していなくても、IoTに対応した機器を取り付けると、IoTを利用することができるようになるのです。
応用分野は多岐にわたり、家庭ではスマート照明やスマート家電として、自動車では自動運転技術として活用されています。
製造業では生産ラインの効率化や予知保全に貢献し、都市開発においてはスマートシティにおける交通管理や省エネルギー化に役立てられています。
今後はAIとの連携により、より高度な自動化や予測が期待できるでしょう。
ビッグデータ
ビッグデータは、従来のデータ処理システムでは扱いきれないほど膨大な量や種類のデータのことです。
ビッグデータは3つのVである「データの量(Volume)」「データの種類(Variety)」「データの発生頻度・更新頻度(Velocity)」で構成されています。
これらのビッグデータを高速で処理することで、有用な情報を引き出し、ビジネスや社会に役立てることができるのです。
ビッグデータの活用範囲は広がり続けており、さまざまな産業で利用されています。
小売業では購買履歴を分析し、個別化されたマーケティングを展開しています。
また、金融業では不正検知や与信判断に利用され、医療分野では疾病予測や個別化医療の実現に貢献しているのです。
今後の課題として、プライバシー保護とデータ活用のバランスをとることが重要になるでしょう。
AI
AIとは、「Artificial Intelligence」の略で「人工知能」を意味します。
データを学習し、自律的に判断や意思決定を行うことができるのが、AIの大きな特徴です。
AI技術を利用して、膨大なデータを取り込み、パターンを認識することで、多様なタスクに対応できるようになるのです。
AIは、大きく「認識系のAI」「予測系のAI」「実行系のAI」の3つに分類され、以下のように活用されています。
・認識系のAI:画像判別、検索、音声判断など
・予測系のAI:数値予測、マッチングなど
・実行系のAI:表現の生成、デザインの設計など
AI技術は急速に進化し、さまざまな分野で革新をもたらしています。
特に、2022年にOpenAI社が発表した対話型AI「ChatGPT」は、人間のような自然な文章で応答することができ、大きな注目を集めました。
このようなAI技術を駆使し、企業のDXを推進する例が増えています。
ICT
ICTは「Information and Communication Technology」の略称であり、情報通信技術のことを指します。
これは、情報技術と通信技術が融合したもので、私たちが日常的に使用しているメールやSNS、チャットなどに活用されているのです。
このように、ICTは個人や企業などで幅広く利用され、生活を豊かにするとともに、ビジネスや教育などの分野で生産性や効率性を高めることが可能です。
テレワークやオンライン教育の一般化により、場所や時間の制約を超えた活動が可能になりました。
ICTと似ている言葉にITやIoTがあります。しばしば混同されますが、ITは情報技術そのもの、IoTはモノとインターネットをつなぐ技術であることを理解しておきましょう。
RPA
RPAは「Robotic Process Automation」の略称で、人が行っている定型業務などをロボットが代行する技術です。
RPAの大きな特徴として、異なるシステムやアプリケーション間を横断する業務の自動化にも対応できることがあげられます。
RPAを利用することで、システム開発などの大規模な設備投資を行うことなく、さまざまな業務を自動化することができるのです。
RPAを導入するメリットは、入力モレや記載ミスといったヒューマンエラーを減らすことができることです。
さらに、業務の効率化やコスト削減、自動化による生産性向上なども期待できるでしょう。
この結果、経理、人事、カスタマーサポートなどのバックオフィス業務の効率化が特に進んでいます。
また、AI-OCRとの連携により紙文書のデジタル化と処理の自動化が可能になり、チャットボットを活用した顧客対応の自動化も普及しています。
クラウド
クラウドは、「cloud computing(クラウド コンピューティング)」とも呼ばれ、インターネットなどのネットワークを介して、サーバーやストレージ、ソフトウェアなどを利用する技術のことです。
以前は、手元のパソコンやサーバーの中にソフトウェアをインストールして利用するという方法しかありませんでした。
しかしながらクラウドの登場により、インターネットに接続されたデバイスさえあれば、自由にソフトウェアを利用したり、データを共有したりできるようになりました。
現在では、さまざまなサービスがクラウドで提供され、システムをクラウド上に構築する企業も増加しています。
これは、企業のIT投資にも大きな変化をもたらしています。
SaaS、PaaS、IaaSといった多様なサービスモデルが生まれ、柔軟なシステム構築が可能になりました。
今後、クラウドはさらに進化していくと予想されますが、セキュリティ強化やデータの主権問題への対応が重要になるでしょう。
XR
XRとは、現実世界には存在しないものを表現または体験できる技術の総称です。
XRの「X」は、さまざまな技術を表す変数を意味しており、現在は以下の4つがXRに含まれています。
・仮想現実(VR:Virtual Reality):専用のVRゴーグルやHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着することで、CGなどでつくられた仮想世界を、現実の世界のように体験できる技術
・拡張現実(AR:Augmented Reality):スマートフォンやタブレットなどのデバイスを使用し、カメラを通して見る現実の世界にCGやテキストといった仮想世界を重ね合わせ、現実の世界が拡張されたような体験ができる技術
・複合現実(MR:Mixed Reality):現実世界と仮想世界を重ね合わせ、2つの世界が融合したかのような体験ができる、VRとARを組み合わせた技術
・代替現実(SR:Substitutional Reality):過去の映像を現実世界に置き換えて、あたかも今起こっているかのように認識させる技術
XRはエンターテインメントだけでなく、近年ではバーチャル会議や遠隔指導など、教育や医療、ビジネスでも広く活用されています。
例えば、建築・製造業では設計段階でのVRシミュレーションが一般化しており、医療分野では手術シミュレーションや遠隔手術支援にも活用されています。今後は5Gの普及とともに、よりリアルタイムで高品質なXR体験の実現が期待できるでしょう。
5G
第5世代移動通信システム「5G」は、通信技術の最新の成果を具現化しています。
4Gの能力を大幅に向上させたこの技術は、高速性、低遅延、多数同時接続という特徴をもち、2020年春頃から日本で商用化されました。
5Gでは、広い周波数帯域を活用し、大量のデータ通信を実現できます。
これにより、増え続ける接続デバイスや通信量に柔軟に対処可能です。
実用例として、高品質映像のリアルタイム配信があります。
遠隔地からのダンスレッスンを鮮明かつなめらかに送信し、受講者はどこでも臨場感あふれる体験ができるようになりました。
5Gは単なる通信の進歩にとどまらず、私たちの暮らしや産業のあり方を根本から変える可能性をもつ画期的な技術だといえるでしょう。
サイバーセキュリティ
デジタル化が進展し、これまで独立していた機器などが連携するようになると、サイバー攻撃の脅威が増大します。
この状況下で、「サイバーセキュリティ」の強化が急務となっています。
従来のセキュリティ概念は、内部を防御し外部の脅威を排除するというものでした。
しかし、DXの進行に伴い、アクセスポイントが多様化すると、内部にも危険が潜む可能性が高まります。
そのため、セキュリティの考え方は変化しつつあり、すべてのアクセスを検証する方向に移行してきています。
DXを推進する際には、この点に特に注意が必要です。
自動車やIoTデバイスの普及を背景に、このような機器のセキュリティを強化するための脆弱性診断ツールも登場しています。
これらは潜在的なリスクを特定し、対策を提案する機能を備えているので、上手に活用するとよいでしょう。
ブロックチェーン
ブロックチェーンは、データの改ざん防止と高い信頼性・透明性を実現する革新的な分散型台帳技術です。
取引データを暗号化してブロック単位で連結し、多数の参加者がそのコピーを保持する仕組みをもちます。
自律分散システムであること、データ改ざんの困難性、システム全体のダウンリスク低減が主な特徴です。
これらの特性により、ブロックチェーンは金融取引だけでなく、サプライチェーン管理、行政サービスなど、幅広い分野での活用が期待されています。
従来のシステムでは実現が難しかった信頼性と効率性の両立を可能にし、さまざまな産業分野で革新的な応用が検討されています。
今後も技術の進化とともに、社会や経済に大きな影響を与える可能性を秘めているのです。
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DXの推進事例
近年、多くの企業がDXを進め、新たなビジネスモデルの創出や生産性の向上を図っています。
今後、あらゆる企業で前述したような技術の導入が予想されるため、自社でそれらを活用する具体的なイメージを持つことが重要です。
以下では、さまざまな技術を活用したDXの推進事例をご紹介します。
日本の製造業
日本の製造業界は現在、労働力不足や技術伝承などの重要な問題に直面しています。
これらの課題に対する解決策として注目されているのが、ARやVRなどのXR技術です。
ARは製造現場の効率化に大きく貢献しています。
例えば、現場作業員と離れた場所にいる専門家が、映像と音声を共有しながらリアルタイムでコミュニケーションをとることが可能です。
これにより、熟練技術者が現場に赴くことなく、遠隔地から的確な指示やサポートを提供できるようになり、作業効率の向上につながっています。
また、VRは従業員のトレーニングツールとして取り入れられています。
実際の製造現場を正確に再現した仮想空間内で、作業員は安全かつ効果的に複雑な作業手順を学ぶことが可能です。
さらに、熟練技術者の動作を仮想空間内に再現し、若手社員がそれを観察・模倣することで、貴重な技能や知識の伝承が可能となります。
茨城県
近年の日本の農業は、高齢化や後継者不足、労働環境の過酷化といった多くの課題に直面しています。
こうした課題を解決するため、政府も注目しているのが、ロボット技術やIoTなどの先端技術を活用した「スマート農業」です。
茨城県ではこのスマート農業技術を導入し、規模拡大や生産性向上に取り組んでいます。
具体的には、ロボット草刈機や直進アシスト機能付き田植え機などを使用しています。
スマート農業技術を活用することにより、生産効率の向上だけでなく、農業従事者の所得向上にもつながるでしょう。
スマート農業の導入事例について紹介します|茨城県
静岡県
静岡県浜松市は、2019年10月にデジタルファースト宣言を発表し、ICTなどを活用したスマートシティの実現に向けて積極的に取り組んでいます。この構想の核心は、行政サービスのデジタル化と、データの有効活用による地域の活性化です。
特に注目されているのは、クラウド技術を利用した都市型データプラットフォームの構築です。このシステムにより、行政機関や民間企業が保有する多様なデータを一元化し、横断的な活用が可能となりました。
オープンデータの推進と相まって、このプラットフォームは新たなサービス創出や地域課題の解決に大きく寄与しています。浜松市は、このデジタル基盤を通じて、市民生活の質の向上と地域経済の発展を同時に実現する先進的なモデルを目指しています。
デジタル・スマートシティの推進|浜松市
大日本印刷株式会社
DXを積極的に推進している企業はたくさんありますが、DXに成功している企業は多いとはいえません。
そのような中、大日本印刷株式会社はDXを成功させている企業の1つです。
同社は、持続可能なよりよい社会、より心豊かな暮らしを実現する新しい価値の創出に向けて、DXを推進しています。
その一環として、2022年11月には、販売・購買・在庫管理などの社内システム基盤を、オンプレミスからクラウドに移行しました。
この移行により、セキュリティ対策を強化してBCPや安定的な稼働を実現したのです。
それとともに、基幹システムの運用負荷を軽減し、サーバーなどの導入・維持・管理コストを削減することにも成功しました。
社内基幹システムのクラウド移行により“攻めのIT”を推進 | ニュース | DNP 大日本印刷
さくらホームグループ
クラウド実践大賞実行委員会は、2022年10月に「全国中小企業クラウド実践大賞東海・北陸大会」を開催しました。これは、クラウドサービス利活用を実践し収益力向上・経営効率化した事例を競い合うコンテストです。この大会で、北陸総合通信局長賞にさくらホームグループ株式会社が選ばれました。
同社は、北陸3県において暮らしの総合サービスを提供する企業です。不動産・建築業界はIT後進といわれる中、自動化・可視化・標準化という観点からDXに力を入れています。RPAなどの技術を積極的に導入し、創業以来ITを活用した生産性の高い組織づくりを進めているのです。
全国中小企業クラウド実践大賞の賞状を授与いただきました。(BS事業部)|プレス|さくらホームグループ
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まとめ
当記事でご紹介したDXに必要な技術や他社のDX推進事例も参考にしながら、自社に適したデジタル化を進めていくことが重要です。
しかしながら、自社に合ったDX技術を選定し、導入することは容易ではありません。
「J’s X」は、業務効率化・自動化を実現する業界特化型のソリューションサービスです。
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