2025年02月21日
DX推進とは?
必要とされる理由や課題について解説
近年多くの企業に注目されているDX推進には、必要とされる理由があります。しかし、DXの目的やメリットについてよくわかってない方も多いのではないでしょうか。
今回はDX推進が必要とされる理由とともに、DXを導入するメリット、推進ポイントについて解説していきます。
DX推進とは?
DX推進とは、その名の通り社内でDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めていくことです。
DXはデジタル技術を活用して、新たなビジネスモデルの創出や人々の生活を豊かにしていく概念のことで、多くの企業が注目しています。
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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、企業がデジタル技術を活用して業務やサービスを変革し、新たなビジネスモデルを構築することを指します。
DXはスウェーデンのウメオ大学教授であるエリック・ストルターマン氏が提唱した「IT技術の浸透が、ひとびとの生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させる」という概念が元です。
ビジネスにおけるDXはデジタル技術を活用して、いままでにないビジネスモデルの創出やレガシーシステムからの脱却、組織変革の実現を意味します。
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DX化とIT化との違い
DX化とIT化は一見同じように感じられますが、最終的な目的が異なります。
・DX化:デジタル技術を活用して、ビジネスモデルや組織を変革する
・IT化:業務効率化や生産性向上のためにデジタル技術を活用する
DX化はIT化よりも広い範囲でデジタル技術を活用することに重点を置いています。IT化はDX推進の一つの手段であり、目的ではありません。
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DX推進が必要とされる理由
多くの企業がDX推進に力を入れ始めたのには大きく分けて7つの理由があります。
それぞれ詳しく確認していきましょう。
2025年の崖
DX推進が必要とされる理由の一つに2025年の崖が挙げられます。
経済産業省が発表した「DXレポート」によると、2025年を境に次のような課題が危惧されています。
・基幹システムの老朽化による維持費高騰、データ処理能力の不足
・サイバーセキュリティの低下やシステムトラブルのリスクに対応できる人材の不足
・先端IT人材、古いプログラミング言語を知る人材の不足
日本でも一部の企業でDXを推進していますが、中小企業ではなかなか踏み出せていないのが現状です。
しかし、2025年までに既存システムの刷新や人材確保に取り組まなければ、大きな経済損失が生じる可能性もあり、DX推進は多くの企業にとって急務と言えるでしょう。
デジタルガバナンス・コード2.0(旧 DX推進ガイドライン)
経済産業省はDXレポートを公表した2018年に、DX推進ガイドラインも同時に公表しました。
そして、2022年9月にはコロナ化を踏まえたデジタル・ガバナンス検討会で行われた議論を踏まえて改訂された「デジタルガバナンス・コード2.0」を公表し、企業のDX推進を支援しています。
また、産業界のDX推進施策として「DX認定」をはじめとした、さまざまな施策も行われています。
2027年SAP ERPサポート期間終了
現在、多くの企業が導入している基幹システム「SAP ERP」のサポートが2027年末に終了になります。
当初2025年末とされていましたが、2年間延長されました。しかし、サポート期間を延長するには「SAP ERP 6.0」(ECC 6.0)以上の新しいバージョンを利用している企業に限られます。
古いバージョンを利用している場合は、2025年末でサポートが切れてしまうため、早々に新しいバージョンへのアップデートもしくは新しいERPへの移行が必要です。特に新しいシステムへ移行する場合は、業務基盤の見直しも必要になるので、迅速な判断が求められるでしょう。
競争力の強化
市場競争力を強化するためには、日々変化する市場のニーズや社会の課題、顧客に関する情報を捉え、活用していく必要があります。
基幹システムの老朽化などで、データの処理が追い付かない状態では、情報を有効利用できずデジタル競争に負けてしまいます。
また、データを活用して俊敏な対応を取りながら、柔軟にビジネスを変革していくことも重要です。そのため、社内のIT化に加えて、企業文化そのものを変革するDX推進が求められているのです。
外部環境の変化への適応
消費者行動の多様化やデジタルイノベーションといったさまざまな面から影響を受け、近年のビジネス環境は変化しています。
目まぐるしい外部環境の変化に適応するためには、膨大な情報を素早く収集して対応し、スピード感のあるビジネス展開をしていくことが必要です。
社内のDX推進を積極的に進めていくことは、企業規模や業界を問わず、変化の激しい時代の中で生き残るための戦略となるでしょう。
生産性の向上とコストの削減
デジタル化を進めることで、業務の生産性や正確性を向上させることができるため、DX推進は生産性の向上が期待できます。
また、ヒューマンエラーの抑制や作業時間の短縮の実現にもつながるため、人件費や効率の悪い作業でムダにかかってしまっていたコストを削減できるというメリットもあります。
ニューノーマルな働き方への対応
ニューノーマルとは、直訳すると「新しい常態」で、社会の大きな変化が新しい常識として定着することです。
近年ビジネスにおいては、テレワークの常態化や業務や商談のオンライン化が定着し、働き方の常識が数年前とは大きく変わってきています。
ニューノーマルな働き方に対応するためには、ITを活用できる職場環境が必須となりつつあります。DXを推進していくことで、時代の流れに沿った働き方に対応できる企業へと変革できるでしょう。
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DX推進のメリット
企業がDX推進をすることで得られるメリットは多くありますが、特に大きなメリットを5つご紹介します。
業務効率化による生産性の向上
企業がDX推進を行うことで、これまでの業務を自動化したり、効率化したりと業務効率化が実現できます。
ルーティンワークとなっていた請求処理や書類整理の時間がなくなるため、より難易度の高いコア業務に集中できるのもDX推進のメリットでしょう。
DX推進により必要なプロセスを効率化し、無駄なコストも削減できるので生産性の向上も期待できます。
新たなビジネスモデルの開発
一部の企業ではDX推進を行い、すでに新しいビジネスモデルの創出に成功しています。
最先端のテクノロジーを活用して、新たなサービスやビジネスモデルを生み出すことで、デジタル社会の競争にも優位性が確立できるでしょう。
DX推進により世界市場に通用するようなビジネスモデルが開発できれば、市場の変化にも柔軟に対応できるかもしれません。
リスク回避
システムのブラックボックス化を防ぐという点でも、DX推進は大きなメリットがあります。
古い技術で作られた、いわゆるレガシーシステムを利用している日本の企業は少なくありません。
老朽化したシステムは、運用やメンテナンスをしようにも、技術を持つ人が既に社内にいないという場合もあるでしょう。
使いづらくなったまま放置し、システムをブラックボックス化してしまうと、生産性は低下し維持費も余計にかかってしまいます。
DX推進の一環として新しいシステムに切り替えることで、社内のシステムがブラックボックス化してしまうリスクを避けられます。
最新システムの導入は、業務効率の改善につながり、生産性の向上も期待できるでしょう。
BCP対策の充実
業務効率化や事業拡大などだけでなく、BCP(事業継続計画)にも対応できるのがDX推進です。
災害やシステム障害など不測の事態に陥った場合でも、業務や基盤システムを分散しておくことで、被害を最小限に抑えられるかもしれません。
BCPは経営において重要な課題であり、リスクを回避するためにもDXを推進しておきましょう。
人手不足の解消
日本は少子高齢化の影響などにより、多くの業界で慢性的な人手不足に陥っています。
人手不足への対応は、採用面の工夫だけでは追いつかない状況になりつつあるのです。
DX推進の一環として、デジタル技術を用いて業務効率化を行えば、時間短縮や自動化が可能になり、業務にかかる人員を削減できる可能性があります。
オンライン上で業務を進められる体制を整えれば、人材の所在地にかかわらず雇用できるようになり、世界中から労働力を確保することも可能になります。
DXの推進は、人手不足の解消にも大きな役割を果たすことが期待されているのです。
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DX推進の現状
日本でのDX推進は、活発に行われているとは言えないのが現状です。
独立行政法人 情報処理推進機構は「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2022年版)」において、DX推進に関する企業の自己診断結果を発表しています。
レポートによると、「全社戦略に基づく、部門横断的推進」を行う成熟度レベル3以上の企業は、全体の7.1%程度に留まりました。
「全社戦略に基づく、部門横断的推進」というのは、全社画一的でなくとも仕組みが明確化され、部門横断的にDX推進が実践されている状態です。裏を返せば、9割以上の企業が部門横断的なDX推進ができていないということになります。
DX推進によりメリットを得られるというだけでなく、2025年の崖の問題など、取り組まなければ大きな経済損失が生じる可能性も考えられます。日本企業は、危機感を持って、より積極的にDXを進めていく必要があるのではないでしょうか。
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DX推進における課題
DX推進が広がらない現状にはどのような理由があるのでしょうか。
DX推進における課題として代表的な3つの問題を挙げて解説します。
DX推進を担う人材が不足
多くの企業が抱える課題の一つに、DX推進を担う人材が不足しているということが考えられます。DXやITについての知識や技術を持っている人を十分に確保できないと、DX推進が停滞してしまいます。
社内で人材育成を行うことが急がれますが、そもそもDX推進に必要となる具体的なスキルを把握できている人がいなければ、どのような教育を行えばよいかわかりません。中途採用などで、社外から補うという手もありますが、DXに関する見識がある人材は引く手あまたであるため、高い給与が必要になるなど人材確保は厳しいものです。
経営層のコミットメント不足
ビジネスモデルの変革も行っていかなければならないDX推進は、経営層のコミットメントが必須となります。
そのため、経営層の危機感が低く意欲的でなかったり、意識や理解が不足したりしている場合は、取り組みが難航しがちです。
既存システムの老朽化・複雑化
既存システムの老朽化や複雑化によって、システムがブラックボックス化してしまっているというのもDX推進が難航する一因です。
管理できる人材が既に社内に不在となっていると、システムの詳細がわからない場合も少なくありません。
解析に時間がかかったり、活用できる状態にするのが難しかったりといった事態に陥っている場合もあるでしょう。
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デジタルガバナンス・コードに沿ったDX推進のポイント
DX推進を行うのであれば、経済産業省が公表しているデジタルガバナンス・コードに沿って、次の4つのポイントを意識してみましょう。
ビジョン・ビジネスモデル
DX推進には、DXを導入して創出したいビジネスモデルや、企業をどのように成長させたいのかという明確なビジョンを示す必要があります。
ビジネスモデルが誰に向けたものなのか、市場へどのような変化をもたらすのかを経営者が自ら社員に共有することで、DX推進への協力も得られやすくなります。
戦略
上記のビジョン・ビジネスモデルを実現するために具体的な戦略の構築は必要不可欠です。
DX推進における戦略とは、デジタル技術を活用したビジネスモデルの開発に必要な組織づくりやITシステムの選定が挙げられます。
社内にDX推進チームを新設や、レガシーシステムからの移行、新しいデジタル技術の導入がDX推進のポイントになります。
成果と重要な成果指標
DX推進には、最終的なゴールとなる成果指標も定めなければなりません。戦略に対して達成度を評価するには、ビジネスにおけるKPI(重要業績評価指標)を用いて評価する必要があります。
また、DX推進の成果として財務成果やESG、SDGsに関する成果も重要な指標の一つです。
ガバナンスシステム
ガバナンスシステムとはDXを推進するにあたって、リーダーシップを発揮させる重要性、取締役会によるDX推進計画の監督を指します。
経営層の迅速な判断や投資がなければDXは推進できず、現場の社員にも本気度が伝わらないでしょう。
経営層は積極的に社員とコミュニケーションを取り、リーダーシップを発揮する必要があります。
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DXグランプリ2024に選ばれたDX推進事例
経済産業省は毎年、東京証券取引所に上場している企業の中から「DX銘柄」を選定しています。
社内でDX推進の仕組みを構築して優れたデジタル活用を行っている企業を評価する取り組みです。
選定された企業の中からはさらに、デジタル時代を先導する企業として「DXグランプリ企業」が選ばれます。
2024年のDX銘柄では25社がDX銘柄に選ばれ、そのうちの3社がDXグランプリ2024に選定されました。
選ばれた企業の取り組みは、社内でのDX推進において参考になる点も多いでしょう。今回はDXグランプリ2024に選定された3社のDX推進事例について、ご紹介します。
LIXIL
LIXILは「DXグランプリ企業2024」に初選定されました。DX銘柄としては3年連続の選定です。
商品や購入方法に対して消費者のニーズが大きく変化している中、バーチャルな世界で人々に寄り添えるサービス提供を目指しているというLIXILは、DXの取り組みにおけるCX(顧客体験)とEX(従業員体験)をともに向上させ、実績を上げているという点が評価されました。CX向上を目的にDXに取り組むためには、デジタル技術を従業員の働き方にも積極的に取り入れて、EXも高めていくことが重要だという考えです。
具体的な取り組みとしては、消費者向けのインターネット通販はもちろん、AIを活用した自動組立ラインやビデオ会議を用いたバーチャルオフィスなど、多方面でデジタル化を行っています。
【DX銘柄2024】DXグランプリ企業取組紹介 株式会社LIXIL 執行役専務 Marketing・Digital 担当 兼 Chief Digital Officer 金澤祐悟 – YouTube
三菱重工業
三菱重工業は「かしこく・つなぐ」をコンセプトに、デジタルイノベーションブランド「ΣSynX」を立ち上げ、DX推進を行っています。エコシステム・プロダクト・標準ツール・セキュリティの4つの要素について、知恵と技術を結集し、人と機械の協調を目指すというものです。
31の事業分野を展開する三菱重工業は、技術や開発、運用・保守に至る多様なデータやノウハウを有しています。これらをAIで適用するなどDXで統合することによって、新たな製品価値を生み出していくことに取り組んでいるのです。
【DX銘柄2024】DXグランプリ企業取組紹介 三菱重工業株式会社 取締役社長 泉澤清次 – YouTube
アシックス
アシックスはDX銘柄に3年連続で選定されています。「DXグランプリ企業2024」での選定では、データ経営による経営の見える化やサプライチェーンの強化といった点が評価されました。DXによるDTCシフトの強化に商品開発力と品質を掛け合わせた点、目標達成などの点で、企業価値向上にDX戦略が貢献している点も認められたということです。
アシックスは具体的なデジタル化の取り組みとして、まずオムニチャネル・デジタルマーケティング・ランニングエコシステムを活用したBtoCマーケティングを行っています。顧客との接点をデジタルで増やす取り組みです。一方、グローバルなビジネスを展開していくために、バックヤードでは需要予測・生産計画・在庫管理もデジタル化が進められています。
【DX銘柄2024】DXグランプリ企業取組紹介 株式会社アシックス 代表取締役社長COO 富永満之 – YouTube
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まとめ
さらに発展していくデジタル社会において、DX推進は企業の重要な課題です。DXを推進するには経営層から社員まで、企業全体で取り組む必要があるため、自社の業務課題や将来のビジョンを明確にし、共有することが重要です。デジタルガバナンス・コードの推進ポイントを参考に、DXを推進する体制や戦略の構築を行っていきましょう。
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