2024年04月05日
プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)とは?
管理の方法やツールを紹介
多くのプロジェクトを管理しなければいけない組織にとって、プロジェクト・ポートフォリオ管理を適切に行うことは、非常に重要です。
組織の規模が大きくなり、管理するプロジェクトが増えると、組織の戦略的な目標とプロジェクトを関連付けることが難しくなってきます。
そのような時に、プロジェクト・ポートフォリオ管理を行えば、戦略目標を効率よく達成するためのプロジェクトの選択や監視が可能になるのです。
この記事では、プロジェクト・ポートフォリオ管理の意味だけでなく、管理の方法やツール、推進のステップなども紹介していきます。ぜひ、参考にしてみてください。
プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)とは
プロジェクト・ポートフォリオ管理(PPM)とは、組織において、プロジェクトを戦略的に管理するために用いられる方法の1つです。
組織にとっての戦略的重要性や目標に基づき、それぞれのプロジェクトの価値を見極めて評価し、ポートフォリオに追加、管理します。
プロジェクトをポートフォリオ化することで、経営資源を適切に分配することが可能になり、成功率や収益性の低いプロジェクトを見直すなど、組織のパフォーマンス向上も期待できます。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理とプロジェクト管理との違い
プロジェクト管理とプロジェクト・ポートフォリオ管理は、どちらもワークマネジメントのサブセットで同じような意味で使われることがありますが、これらは異なる言葉です。
プロジェクト管理は、プロジェクトの目標を達成するための戦略で、プロジェクトを計画通りに行うために、コストや人材などさまざまなリソースを管理することです。プロジェクト管理には、プロジェクトを構成するタスクの計画立案や進捗管理なども含まれます。
それに対し、プロジェクト・ポートフォリオ管理は、組織内の複数のプロジェクトを評価し、優先順位をつけて、組織の目標を達成するために必要なプロジェクトを選択することに重点が置かれています。
プロジェクト・ポートフォリオ管理は、プロジェクト管理を経営管理につなげるためのアプローチとも言えるでしょう。経営陣にとっては、プロジェクト・ポートフォリオ管理によりさまざまなイニシアチブの進捗が可視化されるため、戦略策定や意思決定の際にも役立ちます。
IT運用の複雑化
AIOpsが求められている背景にあるのは、IT運用の複雑化です。急速なデジタル技術の発展で、近年のハードウェアやソフトウェアの機能は多彩で充実したものとなっています。
便利に使えるようになった反面、扱いにおいては複雑化し、管理を任されるIT運用のチームは高度な知識が求められるようになってきました。対応できるIT人材が不足している企業もあり、限られたリソースでも効率的に運用ができるAIOpsが求められているのです。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理に関する役職ごとの役割と責任
プロジェクト・ポートフォリオ管理には、役職ごとに役割と責任があります。プロジェクト・ポートフォリオ管理に携わる際には、ここで紹介する役割や責任を知っておくことで、お互いの立場を理解できるでしょう。
プロジェクトポートフォリオマネージャー
プロジェクト・ポートフォリオ管理の中で重要な役割を担うのが、プロジェクトポートフォリオマネージャーです。
プロジェクトポートフォリオマネージャーは、その名前の通り、プロジェクトポートフォリオの作成と管理を行う人です。予算や納期、人材などの組織内の制約条件を把握したうえで、戦略目標と照らし合わせながら、プロジェクトの選択をします。
選択したプロジェクトにリソースを割り当てて管理し、リスクマネジメントも行います。プロジェクトマネージャーと連絡をとりあって、プロジェクトの最新状況を反映したり、プロジェクトが投資した費用に対して、どれくらいの利益を出しているかを追跡することも役割の1つです。
プログラムマネージャー
プログラムマネージャーは、複数のプロジェクトからなるプログラム戦略を担う存在です。複数のプロジェクトに携わるという点では、プロジェクトポートフォリオマネージャーと同様ですが、プログラムマネージャーの場合は相互に関連するプロジェクトを統括します。
それぞれのプロジェクトが機能するように、プロジェクトマネージャーと連携してプロジェクト間の調整を行ったり、人的リソースの配置や予算の検討を行ったりします。
プロジェクトマネージャー
プロジェクトマネージャーの役割は、プロジェクトチームメンバーの調整なども含めたプロジェクト全体の監督、管理を行うことです。
プロジェクトマネージャーはポートフォリオに組み込まれた個々のプロジェクトに対して、決められたスケジュールとリソースの中でプロジェクトを円滑に進行し、プロジェクト目標を達成する責任を負います。
ポートフォリオの規模によっては、プロジェクトポートフォリオマネージャーが、プロジェクトマネージャーの役割を担うこともあります。
プロジェクトチームメンバー
プロジェクトチームメンバーとは、プロジェクトに取り組むメンバー全員を指します。共通の目標に取り組むために、プロジェクトチームメンバーは、社内外から部門横断的に招集されます。
プロジェクトマネージャーが監督者であるのに対し、プロジェクトチームメンバーはプロジェクトの実行者と考えれば分かりやすいでしょう。プロジェクトの目標達成に向けて、それぞれが持つ専門的な知識やスキルを活かし、他のメンバーと協力しながら作業を行います。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理が必要な理由・背景
プロジェクト・ポートフォリオ管理は、組織の戦略に即した形でプロジェクトを管理するために必要なフレームワークです。
プロジェクトをポートフォリオで一元管理することは、それぞれのプロジェクトに集中するあまり、長期的な視点や全体像を見失ってしまうことを防ぎます。
とくに多くのプロジェクトを同時に抱えている組織にとって、組織の経営資源をどのプロジェクトにどのように分配するのかという決定は、非常に重要です。投資効果を最大化するためには、適切なプロジェクトを適切なタイミングで実行する必要があります。それを把握するために、プロジェクト・ポートフォリオ管理は重要な役割を果たしているのです。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理を実施するメリット
プロジェクト・ポートフォリオ管理の実施は、組織にとって、さまざまなメリットをもたらします。
とくに大きなメリットは、組織内に複数存在するプロジェクトを統合的・俯瞰的に監視し、全体像を把握することが可能になるという点です。戦略目標とプロジェクトの関連性が可視化され、プロジェクトの進行状況をリアルタイムで把握できるようになって、迅速な意思決定にもつながります。プロジェクトごとの連携がとれ、組織やチーム内のコミュニケーションの改善も期待できるでしょう。
プロジェクト・ポートフォリオ管理は、組織のリスクを最小化するためにも有効です。成長のために容認すべきリスクと、そうでないリスクを明確にし、リターンとあわせて検討することで、リスクを判断できるようになります。リスクに見合う価値を提供できるプロジェクトのみをポートフォリオに加えることで、組織のリスクも最小限に抑えられるのです。また、全体としてのプロジェクトのコストを分析することで、予算超過や遅延などの問題に事前に対処することも可能になります。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理を行うための5つのステップ
プロジェクト・ポートフォリオ管理のプロセスには、確立された以下の5つのステップがあります。
・ビジネス上の目標を特定する
・候補となるプロジェクトの情報やアイデアを収集、調査する
・最適なプロジェクトを決定する
・ポートフォリオ全体についての検証
・プロジェクトの実施とポートフォリオの管理
それぞれのステップついて、解説します。
ビジネス上の目標を特定する
まず、指針とするビジネス目標を特定する必要があります。
組織の中には、いくつもの戦略目標が存在する場合があります。プロジェクトポートフォリオマネジメントを効率的に実施するためには、その中の何を優先し、どのような目標に沿ったものにするのかを明確にしなければなりません。成功の定義を明確にしなければ、選択基準が定まらず、プロジェクトの選択は難しいものになります。
候補となるプロジェクトの情報やアイデアを収集・調査する
指針となる戦略目標が特定され、目指す形が明確になったら、それに関連するプロジェクトをすべて集めます。
候補になりそうなプロジェクトの情報や、チームメンバーが思いついたプロジェクトに関するアイデア、顧客からのフィードバックなどを集めて調査します。せっかく生まれたアイデアをしっかり評価し活かすことができるように、アイデアを入力して管理できるような方法を構築しておくとよいでしょう。
最適なプロジェクトを決定する
候補となるプロジェクトについての情報やアイデアが把握できたら、その中からポートフォリオに追加するプロジェクトを決定していきます。
選択するプロジェクトは、先ほど特定した目標に沿ったものであることが大切です。さらに、プロジェクトの投資収益率(ROI)、プロジェクトに要する期間、プロジェクトのリスクといった評価基準とも照らし合わせて検討してみるとよいでしょう。
優先順位の高いものから候補となるプロジェクトを選択し、暫定的なポートフォリオを作成します。
ポートフォリオ全体についての検証
ポートフォリオを作成したら、そのポートフォリオの実現可能性を検証する必要があります。
費用は妥当か、リスクが大きすぎないか、それぞれのプロジェクトに割り当てるリソースは不足しないか、相互の依存関係はどうか、全体のバランスはとれているかなどを確認していきましょう。
プロジェクトの実施とポートフォリオの管理
実現可能であると判断されたら、実際にプロジェクトをスタートさせ、ポートフォリオの管理も行います。
ポートフォリオは一度作成したら終わりというわけではなく、定期的に見直しをしなければなりません。新たにプロジェクトが追加されることもあれば、保留や削除されることもあります。プロジェクトマネージャーとも協力して、プロジェクトを監視し、必要に応じて調整しましょう。場合によっては、リソースの再配分も必要になります。
また、プロジェクトが、最初に特定したビジネス目標に沿って進んでいるのかということも、継続的に確認していくことが大切です。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクトポートフォリオマネジメントのコツ・テクニック
先ほどの5つのステップに従って、プロジェクト・ポートフォリオ管理を進めていく中で、知っておくとよいコツ・テクニックを紹介します。
適切な質問
プロジェクト・ポートフォリオ管理を行う上で大切なのは、最適なタイミングで、選択したそれぞれのプロジェクトを進めていくことです。
そのためには、適切な質問を繰り返しながら、継続的に戦略目標とプロジェクトの関連性を確認し、見直さなければなりません。
一つひとつのプロジェクトに対してだけでなく、「プロジェクトの優先順位・緊急性はどうか」「プロジェクト間で重複している部分や、補足しあえる部分はないか」「リソースを割り当てることで、他のプロジェクトに影響が出ないか」など、プロジェクト同士の関連性に焦点をあてた質問も有効です。
コスト/ベネフィット分析
コスト/ベネフィット分析は、プロジェクトのリスクとリターンを比較検討するための手法で、「費用便益分析」とも呼ばれます。プロジェクトに必要となる費用(コスト)と、そこから得られる便益(ベネフィット)を比較して、プロジェクトを評価します。長期間にわたって、選択肢を客観的に評価するために使われる手法です。
ディシジョンツリー分析
ディシジョンツリーとは「決定木」とも呼ばれ、情報を樹形図状に整理したもので、意思決定に役立つフレームワークです。主観的な要因に左右されやすい場面で、論理的な意思決定をするために有効な手段で、選択肢の比較検討に使われます。
スコアモデル
スコアモデルは、意思決定の要因にスコアを付与する手法です。プロジェクトに優先順位をつける際には、このスコアの高さが根拠となります。
推定商業価値 (ECV)
推定商業価値(ECV)は、「現在価値ー投資額」で計算することのできる「正味現在価値(NPV)」という投資によって得られる価値を示す指標に、リスクを組み込んだものです。これは、商業プロジェクト・技術プロジェクトの成功率を評価するのに有効です。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理を行うためのツール
プロジェクト・ポートフォリオ管理を効率的に行うためには、ツールの活用を検討してみるのもよいでしょう。
プロジェクト管理によく使われるツールには、Excelのような汎用性の高いもののほか、それぞれのプロジェクトの性質に特化したツールなどがあり、既に多くの企業でも導入されています。
プロジェクト・ポートフォリオ管理には、個々のプロジェクトを管理するのとは異なる難しさがあります。プロジェクト・ポートフォリオ管理においては、組織内の多くのプロジェクトのデータをまとめる必要があるからです。
各プロジェクトでデータの管理方法が統一されていない場合は、データの分析が難しくなります。そのため、プロジェクト・ポートフォリオ管理にツールを使う場合には、プロジェクト・ポートフォリオ管理に特化したツールの活用がおすすめです。
プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールを導入すれば、各プロジェクトのデータに統一性を持たせ、あらゆる情報の一元管理が可能になります。各プロジェクトを俯瞰的に管理することは、適切なポートフォリオ管理の実現につながります。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
プロジェクト・ポートフォリオ管理ツール導入のメリット
プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの導入には、多くのメリットがあります。
まず、大きなメリットとして挙げられるのは、予算や人的リソース、スケジュールの最適化です。プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールの導入により、組織内のプロジェクトの情報を一元管理できるようになるため、優先度に基づいたプロジェクトの取捨選択や予算配分などが可能になります。
プロジェクトごとに見れば理想的なリソース配置・スケジュール管理でも、組織全体で見ると、ムダやムラが生じてしまっているというケースがあります。このようなケースにも、プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールは有効です。
ツールの導入により、組織全体の人的リソースの配置状況やプロジェクト横断的なスケジュールの確認が容易になるからです。これは、従業員の業務負荷が高くなることを防ぎ、健康リスクやコンプライアンス上のリスクを低減させることにもつながります。
ほかにも、会議や資料作成の時間を削減できるメリットがあります。プロジェクト・ポートフォリオ管理ツールによって、関係者が最新のデータや情報を共有できるため、報告にかける時間を軽減できます。また、定期レポートの自動出力などのレポート機能が備わったプロジェクト・ポートフォリオ管理ツールであれば、会議資料やステークホルダー向けの報告資料作成の手間も大幅に減らせるでしょう。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
まとめ
プロジェクト・ポートフォリオ管理を適切に行うことができれば、戦略的な意思決定が可能になり、組織の成長やビジネスの成功にもつながります。
しかし、このプロジェクト・ポートフォリオ管理に重要な「プロジェクトを選択する」というプロセスは、簡単なものではありません。とくにプロジェクト内の業務プロセスが複雑化・属人化してしまっていると、客観的な指標でプロジェクトを評価することは難しくなります。
そのような時は、『J’s X(ジェイズクロス)』のようなソリューションサービスの活用を検討してみてください。『J’s X』は、あらゆる業務プロセスをシンプルにし、標準化することに特化したITソリューションサービスです。
『J’s X』を活用すれば、業務プロセスをシンプルにし、定量的なデータを可視化することができるため、組織にとって必要なプロジェクトの判断も行いやすくなります。豊富な導入実績と高い汎用性で、業界や業種に関わらず業務の標準化のお手伝いをいたします。ぜひ一度お問い合わせください。
J’s X(ジェイズクロス)紹介資料ダウンロードのお申し込み
