2024年04月02日
SDLC(システム開発ライフサイクル)とは?
概要や基本フェーズについて解説
SDLC(システム開発ライフサイクル)とは、システム開発プロセスの全体像を示す枠組みのことです。
この記事では、SDLCの各フェーズや進め方について解説します。
効率的なシステム開発を実現するためにも、基本的な知識を身に付け、プロジェクトの成功に役立てましょう。
SDLC(システム開発ライフサイクル)とは?
SDLC(システム開発ライフサイクル)とは、高品質かつ低コストなシステムを開発するための概念であり、そのために構築された体系的なプロセスを指します。
システム開発は、既存のシステムに潜んでいるバグの発見から要件の収集と分析、設計や実装、その後のメンテナンスなど、複数のフェーズに分割されています。SDLCは、各フェーズごとに明確な目標と成果物を定義し、システム開発の流れを明確にするためのプロセスです。
SDLCを基盤とすることで、スムーズな進行が可能となり、開発にかける期間を短縮できます。開発期間の短縮によりコストを最小限に抑えられれば、高品質かつ低コストなシステム開発が実現します。
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SDLC(システム開発ライフサイクル)が注目されている理由・背景
SDLCが注目されている主な理由や背景についてみていきましょう。
プロジェクトの可視性向上
SDLCは、プロジェクトの進捗状況やタスクの管理に役立ちます。SDLCにより、各フェーズごとに明確な目標と成果物が定義され、進行状況が可視化されます。これにより、関係者はプロジェクトの状態を把握し、問題が発生した場合には早期に対処することができるのです。
リスクの低減
SDLCは、リスク管理の観点からも重要です。システム開発は多くのリスク要素を伴います。例えば、要件の変更、予算の超過、スケジュールの遅延などがあります。リスクを事前に特定し、適切な管理と制御を行えることも、SDLCが注目されている理由です。
プロジェクトの効率化と統制
SDLCは、プロジェクトの効率化と統制にも貢献します。適切な計画、要件定義、設計、テストなどのフェーズを経ることで、プロジェクトの目標達成や納期の遵守を容易にします。また、変更管理や品質管理などのプロセスを組み込むことで、プロジェクトを統制し、トラブルや混乱を最小限に抑えることができるでしょう。
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SDLC(システム開発ライフサイクル)の各フェーズ
SDLCでは、システム開発のライフサイクルを次のような10のフェーズに分けることができます。
引用元:Systems development life cycle – Wikipedia
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要件の収集と分析
要件の収集と分析では、どのようなITシステムが必要か、組織が求めるITシステムの要件は何かを考えていきます。このプロセスでは、システム開発に関わるすべての利害関係者(ステークホルダー)からの意見を取り入れながら、要件を収集しましょう。
収集した要求事項を整理し、具体的な要件を明確に定義します。最終的には、要件仕様書にまとめ、プロジェクトの基盤を構築しましょう。
設計
設計では、要件仕様書に基づいて要件を詳細に分析し、システムを作成するための最適な解決策を見つけ出します。具体的な取り組みとしては、既存のモジュールを統合するかどうかの検討や、適切なテクノロジーの選択、開発ツールの特定などです。また、組織が既に持っているITインフラストラクチャに、新しいシステムを最も効果的に統合する方法を検討することもあります。
実装
実装フェーズでは、開発チームが製品の実際のコーディング作業に取り組みます。要件を分析し、最終的な目標を達成するために、日々実施可能な小規模なコーディングタスクを特定して進めます。
テスト
実装フェーズで開発したITシステムをテストし、その品質を確認しましょう。事前に定めた要件や品質基準を満たしているかどうかを、このフェーズで確認します。
展開
展開とは、アプリケーションを実際の環境に配置し、ユーザーが利用できるようにするプロセスです。展開が完了すると、ユーザーはアプリケーションにアクセスし、その機能やサービスを活用できます。
メンテナンス
メンテナンスでは、稼働中のITシステムを適切に管理し、正常な動作を維持するために必要な活動を行います。具体的には、システムの監視、問題の予防と対処、およびアップデートの実施が含まれます。
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SDLC(システム開発ライフサイクル)の進め方(モデル)
SDLCの進め方にはさまざまな種類がありますが、ここでは一般的に知られている10個の手法をご紹介します。それぞれの手法には長所と短所があり、開発するシステムに応じて最適な手法が異なります。
以下の説明を参考に、自社のシステム開発に最適な手法を選択しましょう。
予想型ライフサイクル(ウォーターフォールモデル)
予想型ライフサイクルは、一連のフェーズを順番に進める手法です。滝のように上から下へと流れるように開発を行うことから、ウォーターフォールモデルとも呼ばれています。
予想型ライフサイクルでは、要件定義、設計、開発、テスト、メンテナンスと、ひとつの工程を完了させてから、次の工程へと進めます。各フェーズを計画的に進めるため、リソースの確保や、納期およびスケジュールの管理がしやすいことがメリットです。
しかし、前フェーズが変更された場合には、次のフェーズでは計画を立て直す必要があります。開発途中の修正や変更の柔軟性が欠けることは、このモデルのデメリットです。
基幹システムなどの大規模開発には向いていますが、要件変更の可能性があるシステム開発には不向きといえるでしょう。
反復型ライフサイクル
反復型ライフサイクルとは、要件定義からテストまでの一連のサイクルを反復しながら、段階的にシステム開発を進めるモデルです。
システム全体を一度に開発する予測型ライフサイクルよりも、小さな単位で開発を進めるため、要件やスケジュールの変更にも柔軟に対応できます。顧客は開発途中の各段階で確認が可能です。フィードバックを早期に得られるため、軌道修正がしやすいこともメリットといえるでしょう。
一方、予定変更が多いため、プロジェクト全体の計画を立てることは難しい傾向があります。スケジュール管理が複雑になるだけでなく、場合によってはリリースに影響を及ぼす可能性があることも理解しておきましょう。
漸進型ライフサイクル(スパイラルモデル)
漸進型ライフサイクルとは、リスク分析に重点を置き、段階ごとに機能を追加してシステム開発を進めるモデルです。スパイラルモデルとも呼ばれています。
一連のサイクルを繰り返す点は反復型ライフサイクルと同じですが、継続的に新たな機能を加えていくという点は両者の大きな違いです。顧客のフィードバックを反映しながら開発を進められるため、顧客のニーズや要件の変更にも対応できます。
顧客のニーズに応えることによって、開発期間が延長したり、開発コストが肥大化したりといったデメリットも存在します。大規模かつ複雑なプロジェクトには適していますが、小規模なプロジェクトではコストが高くなる可能性があるでしょう。
漸進型ライフサイクル(インクリメンタルモデル)
漸進型ライフサイクルには、スパイラルモデルのほかに、インクリメンタルモデルと呼ばれる手法もあります。
インクリメンタルモデルは、スパイラルモデルと同様、一連のサイクルを繰り返してシステム開発を進める手法です。スパイラルモデルと異なる点は、機能単位での開発を並列しながら進行させるという点です。
システム全体の要件定義を行ったうえで、機能単位に分割し、機能ごとに設計からテストを繰り返し、システムを完成させます。システム全体の概要を把握していない場合、機能ごとに方向性のズレが生じる恐れがあるため注意が必要です。
適応型ライフサイクル(アジャイル開発)
適応型ライフサイクルは、イテレーション(小さい開発サイクル)を繰り返す開発モデルです。アジャイル開発とも呼ばれています。
顧客のフィードバックを受け、仕様を変更することを前提としたモデルのため、プロジェクト全体での品質向上を目指せます。ただし、過度なフィードバックに依存すると、スコープの変更やプロジェクトの頓挫のリスクが生じることもあるため注意が必要です。
アジャイル開発に似た意味の言葉に「スクラム」があります。スクラムとは、アジャイル開発手法におけるフレームワークのひとつです。少人数のチームを組み、短期間の開発サイクルを繰り返し行うことで、スピーディかつ正確な開発を実現できます。
アジャイル開発では、小さい開発サイクルをインレーションと呼びますが、スクラム開発における短期間の開発サイクルは、「スプリント」と呼びます。どちらも開発サイクルを表す言葉ですが、開発の手法によって呼ばれ方が異なることを覚えておきましょう。
ハイブリット型ライフサイクル
ハイブリット型ライフサイクルは、予想型ライフサイクルと適応型ライフサイクルを組み合わせた開発手法です。
プロジェクトの内容が明確な部分については予想型ライフサイクルを、まだ不確定な部分については適応型ライフサイクルを取り入れ、開発を進めます。それぞれの長所を活かした手法であり、リスクを最小限に抑え、効率的かつ適応性のある開発を実現します。
ただし、ハイブリット型ライフサイクルを適用する場合は、予想型ライフサイクルと適応型ライフサイクルを、必要に応じて使い分けができなくてはなりません。それぞれのメリットとデメリットを、正しく理解しておく必要があります。
プロトタイプ型
プロトタイプとは、「試作品」「原型」という意味があります。つまり、プロトタイプ型とは、本格的な開発を進める前にシステムの試作品を作り、顧客に確認・評価してもらったうえでシステムの設計を決めるモデルです。
顧客は、どこをどのように改善したいのか、具体的な指示を出すことができます。開発側との認識合わせがしやすくなり、理想とするシステム開発が可能となります。
一方、プロトタイプ型では、あくまでも試作品がベースです。実際に使ってみないとわからない部分も多く、完成形までの道のりが長くなるケースも珍しくありません。また、検証と改善を繰り返した分だけ、コストが増大することも認識しておきましょう。
DevOps
アジャイルに類似した手法で、製品の全体的な側面をカバーするためにチームが協力し、コミュニケーションを取りながら開発を進める手法です。システムの設計と実装の段階で、ユーザーからのフィードバックを収集し、アプリケーションの使いやすさと品質を向上が可能となります。
Vモデル
ステップを「V」の字型に進めるモデルです。ウォーターフォールアプローチを拡張したものであり、各開発フェーズでそのフェーズに関連したテストを行います。単一のテストフェーズではなく、開発の進行に合わせてテストを進める特徴があります。
ビッグバン
計画や厳密なプロセスをほとんど必要とせず、必要な資金とリソースを確保して顧客の要求に応じたシステムを開発する手法です。通常は小規模なチームによる非常に小さなプロジェクトに適用されます。
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まとめ
SDLCは、システム開発において不可欠な手法であり、プロジェクトの計画から運用までの全体像を把握できます。各フェーズの役割や進め方を理解し、品質確保と効率的な開発を実現するためのポイントを解説しました。しかしながら、自社のシステム開発に最適な手法を選択することは決して容易ではありません。
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