2025年02月28日
デジタイゼーションとデジタライゼーション・DXの違いは?
実施のメリットなども解説
「デジタイゼーション」は業務のデジタル化を意味する言葉です。
似たようなものに「デジタライゼーション」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」もありますが、これらとの違いを正しく理解できているでしょうか。
この記事では、デジタイゼーションの意味や具体例のほか、デジタイゼーションによるメリットや取り組みの進め方について解説します。
業務のデジタル化を検討されている方はぜひ参考にしてください。
デジタイゼーションとは
国連開発計画(UNDP)によると、デジタイゼーションは以下のように定義づけられています。
既存の紙のプロセスを自動化するなど、物質的な情報をデジタル形式に変換すること
引用元:令和3年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーションの定義|総務省
ビジネスのデジタル化を考えるとき、「デジタイゼーション」のほかに「デジタライゼーション」「DX」という言葉もよく聞かれます。
本章ではこれらの違いを説明します。
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デジタイゼーションの具体例
デジタイゼーションとは具体的にどのようなことなのでしょうか。
例として以下の3つを紹介します。
・オンライン会議ツールの導入
・書類のデジタル化
・営業用デジタル端末の導入
オンライン会議ツールの導入
オンライン会議ツールとは、同一の場所にいない人とも容易にコミュニケーションがとれるツールです。
自宅にいながら社内の会議に出席できたり、取引先の元に出向かなくても必要な場面ですぐに打ち合わせができたりします。
移動が不要になることで、交通費や移動時間をカットできるため、経費削減にもつながるでしょう。
書類のデジタル化
書類のデジタル化もデジタイゼーションのひとつです。
書類を紙の形で保存しておくと、保管場所が必要なうえ、書類の整理も欠かせません。
書類をデジタル化すれば、保管場所や管理の手間が不要になります。目的の書類を検索するのも容易になるなど、書類をデジタル化することで得られるメリットは豊富です。
営業用デジタル端末の導入
デジタイゼーションを導入している多くの企業は、営業にパソコンやタブレットなどのデジタル端末を導入しています。
同じ情報でも紙の資料よりも多彩な見せ方ができたり、インターネットを通じてリアルタイムな情報を取得できたりするため、説得力のある効果的なプレゼンができるでしょう。
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デジタイゼーションとデジタライゼーションとの違い
国連開発計画(UNDP)によると、デジタライゼーションは以下のように定義づけられています。
組織のビジネスモデル全体を一新し、クライアントやパートナーに対してサービスを提供するより良い方法を構築すること
引用元:令和3年版 情報通信白書|デジタル・トランスフォーメーションの定義|総務省
デジタイゼーションとデジタライゼーションは、「デジタル化」という点においては共通しています。
しかし、推進する目的と期待できる効果の2点において大きく異なっています。
| 目的 | 効果 | |
|---|---|---|
| デジタイゼーション | 業務のデジタル化 | 業務効率化の実現 |
| デジタライゼーション | 業務プロセスのデジタル化 | 業務プロセス効率化の実現 |
デジタイゼーションとは、今までアナログで行っていた業務をデジタル化し、業務の効率化をはかることです。
既存の業務プロセスには変化を加えず、一部の業務にのみデジタル技術を取り入れることを意味します。
一方デジタライゼーションとは、業務プロセス全体にデジタル技術を活用し、業務プロセスに変化を加えることです。
具体的には、IoTを活用し業務全体を自動化することや、製造分野でロボットを活用し業務の効率化をはかることなどが挙げられます。
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デジタライゼーションの具体例
デジタライゼーションを活用し業務効率化を図った例として、以下のものが挙げられます。
・ECサイトを活用した対面以外での商品販売
・製造業における作業工程に使用される機械をIoT化
・経理業務において取引の発生から会計処理、決算までを自動化するワークフローを構築
・契約締結業務における署名を電子化
さまざまな業界・業種での業務にデジタライゼーション化を進めることで、各プロセスを効率化したり、より付加価値の高い業務に注力できたりします。
大幅な業務効率化や作業品質の向上が図られ、リソースの有効活用も期待できるでしょう。
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デジタイゼーションとDXとの違い
続いて、デジタイゼーションとDXの違いも確認しておきましょう。
政府はDXを以下のように定義づけています。
将来の成長、競争力強化のために、新たなデジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを創出・柔軟に改変すること
引用元:「世界最先端デジタル国家創造宣言・官民データ活用推進基本計画の変更について(令和2年7月17日閣議決 定)」
デジタイゼーションとDXも「デジタル化」の取り組みである点は似ているのですが、推進する目的と期待できる効果が以下のように異なっています。
| 目的 | 効果 | |
|---|---|---|
| デジタイゼーション | 業務のデジタル化 | 業務効率化の実現 |
| DX | 組織全体のデジタル化 | ビジネスモデルや組織の変革 |
デジタイゼーションが一部の業務に限定したデジタル化であるのに対し、DXは組織全体のデジタル化を意味しています。
DXには組織をあげて取り組むことになるため、ビジネスモデルや組織そのものに大きな変化を加えることが可能です。
デジタイゼーションによって実現した業務効率化が業務プロセスに変化を与え(デジタライゼーション)、さらにデジタル化の範囲を組織全体に広げることでDXにつながるとイメージするとわかりやすいでしょう。
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DX(デジタルトランスフォーメーション)の具体例
スマート家電やオンラインスクールなど、生活に密着した事例以外にも、ビジネスにおいてDXは推進されています。
デジタルトランスフォーメーションの具体例には、以下のものが挙げられます。
・データ分析とデータマーケティングの活用
・フリマアプリを介したCtoCビジネス
・キャッシュレス決済の導入
・チャットボットを使用した顧客対応
DXに取り組むことで、マーケティングへの有効活用が行えたり、個人間での安全な取引を推し進められたりすることが可能です。
企業側・顧客側、双方にメリットをもたらし、私たちの生活に深く浸透してきています。
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DXに企業が取り組むべき理由
企業がDXに取り組むべき理由には、以下のようなことが挙げられます。
・ビジネスを取り巻く環境の変化に対応するため
・「2025年の崖」を回避するため
それぞれみていきましょう。
ビジネスを取り巻く環境の変化に対応するため
近年、ビジネスを取り巻く環境が大きく変化しています。具体的には以下のようなことが挙げられます。
・市場のグローバル化
・消費者ニーズの複雑化
・働き方の多様化
・労働力不足
このような変化に対応するにはDXが有効だといわれています。
たとえば、インターネットを活用すればグローバルな視点で市場の動向を把握できますし、ビッグデータを活用すればさまざまな消費者ニーズに対応できるでしょう。
ITツールの導入でフレキシブルな働き方が可能になったり、デジタル技術の活用で労働力が不要となり労働力不足が解消したりすることも期待できます。
日々変化する環境に対応するために、企業はDXに取り組む必要があるのです。
「2025年の崖」を回避するため
企業がDXに取り組むべき理由として、「2025年の崖」の回避が急がれているからということも挙げられます。
「2025年の崖」とは、DX競争において多くの日本企業が世界から大きく後れを取ってしまう問題です。
とくに懸念されているのが、レガシーシステムの放置による損失です。レガシーシステムとは、ひと昔前に導入されたシステムを指します。
導入から時間がたち老朽化しているうえ、過剰なカスタマイズによって複雑化しているのです。このレガシーシステムを放置すれば、2025年頃にはシステムトラブルやセキュリティ事故、データの流出・滅失などのリスクが高まると予測されています。
2025年の崖を回避するため、レガシーシステムを刷新し、DXに取り組むことが急がれているのです。
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デジタイゼーションのメリット
デジタイゼーションによる効果をひと言でいうと「業務効率化の実現」です。では、デジタイゼーションをすることで、どのように業務効率化になるのでしょうか。
本章では、以下の8点を紹介します。
・生産性向上
・人的ミスの削減
・社内情報の一元管理、簡略化
・コスト削減
・新たなサービス創出
・BCPの強化
・働き方改革の推進
・手続きの簡素化
生産性向上
デジタルツールを活用し、業務を自動化することによって作業時間を短縮できたり、ヒューマンエラーを削減することにつながります。
各業務の進捗状況やスケジュール管理のデジタル化も進めれば、脱属人化やブラックボックス化の防止も見込めるでしょう。
人材や時間的な余裕を、ほかの有益な業務に注力させることもでき収益の向上や企業価値を高めることも期待できます。
このように、デジタイゼーションを推進することで、生産性向上を実現することが可能です。
人的ミスの削減
デジタイゼーションによって人間が行う作業が減ると、人的ミスも減らせます。たとえば、経理における入力や集計は人的ミスが生じやすい業務です。
このような業務にデジタイゼーションを導入すればより正確な作業が実現でき、業務の遂行がスムーズになるでしょう。
社内情報の一元管理、簡略化
デジタイゼーションによって社内情報を一元管理できると、誰でも必要な時に情報を閲覧することが可能になります。
紙ベースで管理していたデータを電子化することで、情報共有がスムーズになるだけでなく、加工や分析も容易になるでしょう。
また、管理を簡素化できるというメリットもあります。
データの劣化防止や、変更履歴を残せるシステム導入によりセキュリティ面の強化にもつながるものです。
コスト削減
資料をデジタル化することによってペーパーレス化を進めれば、用紙、インク、複合機のリース代などのコストを削減できます。
業務効率化によって従業員の残業も減らすことも期待できるため、人件費をカットすることもできるでしょう。
新たなサービス創出
先ほどもお伝えしたように、業務効率化によって生まれたリソースをほかの業務に注力させることによって新たなサービスを生み出すことにつながるかもしれません。
また、AIやIoTなど、最新のデジタル技術を活用することで新商品やサービスを創出する機会を得ることで、企業競争力の強化も期待できるでしょう。
BCPの強化
BCP(Business Continuity Planning)とは、事業継続計画のことです。
自然災害や人為災害、システム障害のようなIT災害が生じた場合に、起こりうる全てのリスクに対して対策を講じ、早期復旧、事業継続を目指します。
デジタル化の推進は、さまざまな緊急事態に対応するために有効です。
テレワーク環境を整備したり、クラウドサービスの活用したりすることで、業務の停滞を防止し事業継続性を高められるでしょう。
このように、デジタイゼーションは、BCPの強化も期待できます。
働き方改革の推進
現在多くの企業で導入されているテレワークは、デジタル化が推進されたからこそ生まれた働き方です。
時間や場所に捉われず、柔軟に働くことができるため、働き方改革の推進にもつなげられます。
業務効率化による残業時間や、テレワークによる通勤時間を削減することで、仕事もプライベートも充実させることができるでしょう。
従業員のワークライフバランスの向上も期待できます。
手続きの簡素化
契約締結を電子印鑑や電子サインで行うなど、契約締結業務をデジタル化する動きも強まっています。
デジタイゼーションを進めることで、対面での契約や、契約書を郵送するなどといった手続きを簡素化することも可能です。
銀行や証券会社の口座開設、クレジットカード発行時における本人確認をオンラインで実施している企業もあります。
このように、手続きを簡素化することで利便性を向上させる仕組みを整えられることも、デジタイゼーションのメリットです。
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デジタイゼーションの進め方
デジタイゼーションは以下のような手順で進めます。
1.目的や方向性の明確化
2.業務プロセスの可視化
3.現状の課題の洗い出し
4.デジタル化すべき業務の洗い出し
5.ツールの検討
6.実務への適応作業
7.定期的な見直し
ひとつずつくわしくお伝えします。
1.目的や方向性の明確化
デジタイゼーションを行う上でまずはじめにやるべきことは、目的や方向性を明確にしておくことです。
効率化したい業務や削減したい作業工程など、何を実現したいのかを考えてみましょう。
デジタル化推進が目的ではなく、あくまで手段として活用するという認識を深められます。
「〇%のコストカットを実現する」「作業工程を自動化し人による作業を半分にする」など、具体的な目的を定めておくとよいでしょう。
目的達成に必要なツール選定も容易になります。
2.業務プロセスの可視化
デジタイゼーションを進めるにはまず業務プロセスを書き出し、可視化することからはじめます。
その際、以下のような点に注目してみましょう。
・どのような業務をどのような手順で行っているのか
・どのような人がかかわっているのか
・どれくらいの時間をかけているのか
・どのような点に気をつけているのか
できるだけくわしく書き出すことで業務を正しく把握でき、効果的なデジタイゼーションの導入につながります。
3.現状の課題の洗い出し
業務プロセスの可視化ができたら、その中で従業員が困っていること、停滞している業務などの課題を洗い出していきます。
ここで、実際に現場の声を聞いたり、業務を可視化できるツールを活用することも有効です。
洗い出された課題は、デジタル化できるかどうかや課題の大小に関わらずリスト化してまとめておきましょう。
自社の課題を可視化しやすくなり、次の手順をスムーズに進めやすくなります。
4.デジタル化すべき業務の洗い出し
次に、可視化した業務プロセスを、デジタル化する部分とデジタル化しない部分にわけます。
必ずしもデジタル化が最良とはいえません。
デジタル化すべき業務かどうかの判断は、企業によって異なりますので、現場の意見も聞きながら慎重に判断しましょう。
5.ツールの検討
デジタル化する業務を決めたらツールを検討します。
既存のツールを活用できるのか、新規でツールを導入する必要があるのか、新たに導入する場合はどのツールを選ぶのかなどを、使いやすさや予算などを踏まえて検討しましょう。
6.実務への適応作業
デジタルツールを導入しても、ツールの使用方法やどの業務に活用していくのか従業員に周知されていないとデジタイゼーションはスムーズに進みません。
デジタル化する業務や導入するツールが決定し、実施の準備が整ったら実務への適応作業を行うことが重要です。
具体的には、現場の従業員に対する研修や、業務内容に合わせたツールの最適化設定などを行います。
業務効率化に伴い、各部署ごとに人員を調整する必要もあるでしょう。
デジタル化による変化を見据えて、人員配置を見直すことも有効です。
7.定期的な見直し
デジタイゼーションは、デジタルツールを導入することがゴールではありません。
実際に業務に活用し、定期的な評価・検証を行うことが重要です。
ツールから得られる定量的な指標だけでなく、実際に使用してる従業員の声を判断基準として参考にしていきます。
定期的な見直しを行った結果、効果がみられなかった場合、その原因や原因に対する改善策などをまとめます。
このように、実践と評価を繰り返しながら、自社に合ったデジタイゼーションを進めていくとよいでしょう。
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デジタイゼーション成功のポイント
デジタイゼーションを進める際、気をつけたいポイントは以下の3点です。
・目的を明確にする
・現場の意見を大切にする
・スピーディーに進める
いずれもデジタイゼーションを成功させるために必要なことですので、しっかりと頭に入れておきましょう。
目的を明確にする
デジタイゼーションを成功させるには、目的を明確にしてから取り組むことが大切です。
「業務のデジタル化によって何を実現したいのか」が明確であれば、デジタル化すべき業務の洗い出しやツールの検討もスムーズにできるでしょう。
現場の意見を大切にする
デジタイゼーションの必要性はわかっていても、業務内容の変更に抵抗感をもつ労働者は一定数いると考えられます。
現場の意見に耳を傾けながら進め方を検討しましょう。また、デジタル化したほうがよいと考える業務や、ツールに求める機能なども現場の人にヒアリングし、参考にするとよいでしょう。
スピーディーに進める
デジタイゼーションはDXのファーストステップです。
将来的にDXの実現をめざしているのなら、デジタイゼーションはスピーディに行いましょう。
既存のツールやシステムで使えるものがあれば活用するのもひとつの方法です。
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まとめ
ビジネスの環境が大きく変化している現在、業種や規模を問わず、あらゆる企業でデジタイゼーションの導入が求められています。
デジタイゼーションを進めることで業務が効率化すれば、労働力不足の解消や生産性の向上などにもつながるでしょう。
とはいえ、実際にデジタイゼーションを進めようとすると、さまざまな悩みが出てくるものです。
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