2024年05月30日
RISE with SAPだけではない!!
SAPシステムを支える周辺システム構築のベストプラクティス
JSOLでは、SAP社の「RISE with SAP」を活用し、お客さまのコアビジネスを支えるシステム基盤を実現できます。
しかしながら、企業システムは多くの業務支援機能をもつ周辺システムを組み合わせることで成り立っています。
例えば、
業務処理を、順序性をもって自動実行させる「ジョブ基盤」、
システム間のデータ連携を行う「インターフェース基盤」、
システムが健全に稼働していることをチェックする「監視基盤」、
などが代表的な周辺システムです。
本稿ではJSOLがこれらの周辺システムを「RISE with SAP」と組み合わせて提供している事例、
また、周辺システムを構築、運用するにあたって「陥りやすいポイントと対策」をご紹介します。
一般的に「ジョブ基盤」が提供する機能は以下のような内容になります。
・スケジューリング機能:カレンダーを有し、周期実行、繰り返し実行などの機能を提供します
・ジョブネット機能:複数のジョブに前後関係を設定し、処理順序を制御できる機能を提供します
・他製品連携機能:「RISE with SAP」などの他製品のジョブを制御する機能を提供します
・各種付帯機能:ファイルの着信待ち、リカバリー処理の実行、イベントによる処理連携などの付帯機能を提供します
「RISE with SAP」自体にもジョブ基盤に相当する機能はありますが、基本的には「RISE with SAP」内で完結する機能を提供するものになります。一方で基幹システムにおいては関連する外部システムも含めたジョブを運用管理する必要がありますので、上述の機能を具備するジョブ基盤を使用することが重要になります。
JSOLでは代表的なジョブ基盤製品である株式会社 日立製作所の「JP1/Auto Job Scheduler」を使ったジョブ基盤の構築を得意としています。
ジョブ基盤は昼夜を問わず安定してジョブの自動実行機能を提供する必要がありますので、ジョブ基盤を稼働させるサーバーには高い可用性が求められます。そこでJSOLも代理店となっているサイオステクノロジー株式会社が提供するクラスタソフトウェア「Life Keeper/Data Keeper」を用いることで、サーバー障害時においても継続的な機能継続を実現させています。※1
このようにジョブ基盤の導入にあたっては
・多くのジョブ機能を有する製品を採用すること
・「RISE with SAP」との機能分担を行い、ジョブ機能を実現すること
・クラスタソフトウェアを用いて高い可用性を提供すること
などのポイントを考慮することが肝要です。
※1 サイオステクノロジー社製品「LifeKeeper」の販売代理店契約締結に関しては、こちらをご確認ください。
一般的に「インターフェース基盤」が提供する機能は以下のような内容になります。
・データ連携機能:ファイル、メッセージ、APIなど複数の形式でデータの授受を実現する機能を提供します
・データ変換機能:データのレイアウト変換や値の置換などデータ自体を加工する機能を提供します
・文字コード変換機能:システムごとに異なる文字コードのデータについて相互に文字コードを変換する機能を提供します。
上記のような必要機能に合わせて市場では
・EAI(Enterprise Application Integration)
・ETL(Extract、Transform and Load)
・iPaaS(Integration Platform as a Service)
など多様なインターフェース基盤製品が存在し、それぞれに構築・運用ノウハウが必要となります。
「RISE with SAP」はフルマネージドサービス型のシステムのため、OSに直接ログインしたりソフトウェアを新たに導入したりことはできません。その代わりに標準的なプロトコルである「SFTPサーバー」機能が提供され、またユーザープログラムのサーバー上への配置は許可されています。そこでJSOLでは、これらの仕様を踏まえて「RISE with SAP」とデータ連携するためのインターフェース基盤の導入を推奨しています。例えばEAIとしてはASTERIA、ファイル連携・文字コード変換ツールとしてはHULFTなどを組み合わせたインターフェース基盤の構築サービスを提供しています。さらに「RISE with SAP」システム内でのデータ連携を実現するためのツールとして「J-model I/F基盤」も提供しています。
なおRISE with SAPと、よく見合わせて利用されるSAP社提供のSaaS(SAP Analytics Cloud、BTP、Concur、Ariba、SuccessFactors)はそれぞれにデータ連携方式が異なります。それらについてはまた別に機会にご紹介します。
一般的に「監視基盤」が提供する機能は以下のような内容になります。
・稼働監視:サーバーやネットワークの死活状態を監視、通知する機能を提供します
・性能監視:システムのCPU、メモリ、ディスクなどの利用状況、性能を監視、通知する機能を提供します
・イベントメッセージ監視:ログファイルやメッセージを検知して適切な通知を行う機能を提供します
「RISE with SAP」はフルマネージドサービス型のシステムであり、SAP社にて監視基盤(Solution Manager)が提供されカスタマーポータルも提供されています。一方で、業務ジョブの監視はできないなど一部機能的な制約があります。また、周辺システム向けには独自に監視基盤を準備する必要があります。JSOLではAWSやAzureなどのパブリッククラウドに対応した監視サービス「J-Across」を提供しており、統合的に「RISE with SAP」システムの監視サービスを実現可能です。
なお、AWSやAzureなどのクラウドサービスを使用する場合は、各クラウドサービスが提供する機能を使用した固有の監視設計、設定も必要となります。これらもJSOLにてサービス提供しています。
最後に、これまでご紹介した周辺システムを構築、運用するにあたって陥りやすいポイントと対策についてご説明します。
・業務領域を横断する機能となることが多く、利害調整に時間がかかったり、考慮漏れなどの課題が起きやすい
【対策】:要件や実装方式を標準化するフェーズを設け、業務領域に跨る機能を明確化する
・組織を横断した運用が必要となり、機能変更対応や障害時対応が煩雑になることが多い
【対策】:構築段階から、機能の維持管理ルール、障害時対応体制、障害検知の仕組みを整備しておく
・独立したシステムとして構築するため、SAPシステムの更改ライフサイクルと分断されるケースがある
【対策】:SAPシステムと周辺システムの関係を明記し、原則更改ライフサイクルを揃えておく
:構築にあたり、類似機能をもつ既存の周辺システムが存在する場合は、新規構築ではなく
既存システムの更改として実現することも検討する
まとめ
「RISE with SAP」をはじめとするSAPシステムを稼働させるためには、機能を補完する多くの周辺システムが必要であり、それぞれにSAPシステムと連携するための仕掛けが必要です。
JSOLでは「RISE with SAP」だけでなく、周辺システムである「ジョブ基盤」、「インターフェース基盤」、「監視基盤」についても設計、構築、運用することが可能です。もちろんすでにお客さまがお持ちの周辺システムがあれば、それらを組み合わせてシステム化を行うご支援も可能です。
SAP周辺システムについてお困りのことがございましたら、ぜひJSOLにお声がけください。お待ちしております。
※本記事に記載されている製品・サービス名称は、各企業・団体の商標または登録商標です。
SAP BASIS ソリューション
https://promotion.jsol.co.jp/sap/basis.html
RISE with SAPってなに?5分で知るRISE with SAP魅力とは
https://promotion.jsol.co.jp/sap/blog/rise-with-sap-vol1.html