2025年03月14日
PLM導入後の課題解決をサポート!
保守・運用支援で光る、深い業務理解とチーム力(後編)
前編では、PLMシステム“ものづくリンク”導入後のスムーズな保守運用や追加開発の進め方、JSOLが特に重視する「課題の可視化」について紹介しました。後編では、“ものづくリンク”のスムーズな運用において見落とされがちなポイントや具体的な成功事例に焦点を当てます。
システム化で
直面する課題と、保守・追加開発を見据えた体制作り
ーPLMシステム導入後、保守運用や機能追加などのステップアップを見据えるなかで、見落としがちな視点やつまずきやすいポイントはありますか?
『決める人がいない』という状況はよくあることです。実際に現場を訪れ、実務を回している方に提案することがありますが、その場で承認をもらえるケースはほとんどありません。業界を問わずこうした状況は起こり得ます。そのため、プロジェクト開始前に『誰が決定権を持つのか』を明確にすることが重要です。体制図などを事前に整理しておくことで、スムーズな進行が可能になると感じています。
具体的な例として、『せっかくシステムを作るのだから、業務のあるべき姿も理想に近づけよう!』と、ゴールを高く設定してしまうケースがあります。しかし、それが現在の業務に合わなかったり、改善しすぎてかえって誰にとっても不便になったりすることもあります。理想を追求するあまり現在の業務とかけ離れたものになってしまうのです。どこを最適化すべきか、そのバランスを意識しながら進める必要があります。(任田)
ー他にはありますか?
従来のやり方で業務が回ってしまう場合、新しいシステムの使い方を覚えるのが面倒だと感じることがあります。その結果、システム導入後も結局は従来の運用に戻ってしまう、というケースが少なくありません。システムリプレース(新しいシステムへの完璧な切替)の場合は否応なく新しいシステムを使わざるを得なくなりますが、例えばエクセルのような自由に使えるツールを使用している場合は、どうしても運用が進まない印象があります。(山田)
ー企業が思い描いたPLMを実現するため、保守や追加開発まで含めたシステム導入において意識するべきこととは何でしょうか。
システム導入において、従来の業務の一部が変更されることは避けられません。そのため、『どの部分は変えてもよいのか』『どの部分は絶対に変えてはいけないのか』を、整理することをおすすめします。変えてはいけない部分は少ない方がスムーズに進めやすいので、現行業務について『この業務の目的は何なのか』『他のやり方ではいけないのか』見直していただき、変えてもよい点は柔軟に捉えていただけるとよいかと思います。『変えてもよい業務』を具体的に提示していただけると、私たちも判断しやすいので最適なご提案がしやすくなります。(任田)
そのためにも、業務に精通し、決定権を持つ方が主導して進めるのが理想的です。『業務理解』と『周囲を巻き込む力』、このどちらかが欠けるとプロジェクトがうまく進まなくなる可能性が高いです。現場の社員にうまく協力を得られなかった場合、彼らは急に新しいシステムを使うよう求められても混乱が生じてしまいますよね。そのため、この両面をしっかりと備えることが成功の鍵だと考えています。(山田)
経験とノウハウで、一体感が生む高評価
ー先述された課題を踏まえ、JSOLの提案にはお客様からどのような反応がありますか?
私たちの会社にはさまざまな分野に特化した専門チームが揃っています。たとえば、インフラ関連の対応が必要な際には、その領域を専門とするチームと連携して取り組みます。部門間で縦割りにならず、チーム一体となって進める姿勢を評価いただけることが多く、ありがたいと感じています。PLM領域以外の、セキュリティ関連の課題についてもご相談をいただくこともあります。こういったご相談は当社に対して一定の信頼を寄せていただいている証だと思っており、非常に感謝しています。(任田)
「JSOLさんは他のベンダーに比べて業務への理解度が高く、打ち合わせがスムーズ」とお客様に言っていただいたことが私は印象に残っています。お客様との会話は、必ずしも資料が整った状態で始まるわけではなく、『最近こういうことで困っている』という相談から話が始まることもあります。そんなときは、お客様が言いたいことを素早く把握し、その場で絵や図表を描きながら確認を進めていきます。このように、即座に状況を理解して対応できる点を評価していただけたのはとても嬉しいことです。(山田)
ーそのようなお客様との関係性において、具体事例をお伺いしてもよいですか?
以前契約を結んでいたお客様から、保守担当としてご指名いただいたことがありました。そのお客様との契約は終了していたのですが、「またJSOLさんとお仕事をする際は山田さんを指名したい」とおっしゃっていただいたんです。もう一度一緒に働きたいと言っていただけたことはもちろん、当社としてのチーム全体を評価していただけたようで嬉しかったですね。(山田)
ーJSOLのチームとしての強みはどんな点だと考えますか?
長年にわたり組立製造業に携わってきた経験があり、そのノウハウがしっかり蓄積されている点が強みだと思います。知識を社内できちんと共有していることや、システム開発を進める際にも『本当の課題は何か』という部分まで深く掘り下げて考えることで、導入のみでお客様との関係を終わらせず保守や追加開発までの長期的なサポートが可能になっているのだと思います。また、プロジェクトをとおして得た知見はチームに還元するという風土があり、自分が直接関わっていない案件からもノウハウを学んでスキルアップすることができます。こうした環境による高いレベルでの提案や対応が評価をいただいているのではないでしょうか。
ものづくリンク”がもたらすグループ展開と意識改革とは
ーシステム導入後の成果としてどのようなものがありますか?
紙資料の削減などは非常に分かりやすい成果の一つですが、それをさらに子会社やグループ企業へ展開したいとご提案いただくケースもあります。グループ全体で効果を広げていこうという動きにつながることは、私たちにとっても非常に嬉しいことです。また、中には海外拠点への導入について検討いただく場合もあり、ユーザーがどんどん増えていくのは理想的ですね。(任田)
複数の部署がそれぞれ別々にファイルを管理していると、重複した情報を扱ってしまうケースが少なくありません。情報が一元化されることで、後工程に関わる部署の方々が別途資料を作成する必要がなくなり、これが“ものづくリンク”導入の大きな効果の一つである『人的工数の削減』につながります。このような改善は、導入や保守運用を支援する中で私たちが強く実感する成果です。(山田)
ー追加開発の具体的な成功事例はありますか?
先日、導入後数年が経過してから『生産準備よりもさらに前工程に課題があり、その領域までシステムを拡張したい』というご要望をいただきました。領域拡大の際には改めて課題を整理する必要があり、現行業務の取捨選択も含まれます。既存のやり方を廃止することには不安が伴うと理解していますが、私たちがプロの視点から提言することが重要だと自負しています。構想の段階でじっくりと時間をかけ納得いただいた上で、システムの拡張を進めていくことを大切にしています。(山田)
他のシステムとのデータ連携を追加で行うケースもあります。たとえば、“ものづくリンク”システムで出力可能なデータがまだ紙で管理されていることが判明した場合、そこもシステム化するご提案を行います。運用していると、新たに『ここもシステム化できるのでは』というポイントが出てくるのです。こうした発展的なアイディアや意見が生まれるのは、お客様がシステムをしっかり活用していただけているからこそです。そのため、私たちも保守・運用の段階で、お客様と共に課題解決や改善に伴走していく姿勢を大切にしています。(任田)
ーありがとうございます。最後に、“ものづくリンク”導入後の副次効果を教えてください。
私たちとの関わりを通じて、関連部署間の相互理解が深まります。たとえば、これまで個々に用意していたデータが、実は他部署ですでに管理されているデータであることに気付くなど、より効率的な業務方法を発見することにつながります。仮にそのすべてがシステム化に直結しなくても、業務間の連携はよりスムーズになると思っています。(任田)
現場社員のITリテラシーの向上や意識改革という点はかなり変化を感じます。これまでシステムリリース後に現場の方から上がってくる声というのは、例えば『管理項目を増やしたい』というような、いわゆるシンプルに機能を追加するご要望でした。しかし最近では、『さらに成果を出すには現在の業務のどこを効率化すればよいか』『他業務により注力できる環境を整えたい』など、データの利活用や業務改善を目指したご相談が増えています。DX化への意識は確実に高まってきていると感じるので、私たちも引き続き尽力していきたいです。(山田)
PLMシステムは導入がゴールではありません。健全な運用の定着やデータの利活用、さらには業務領域の拡張を含めたステップアップを実現することがひとつの理想です。潜在的な課題への着目や領域拡大への要件整理など、JSOLならではのアプローチでこれからも製造業のDX化に貢献していきます。
前編:PLM導入後の課題解決をサポート!保守・運用支援で光る、深い業務理解とチーム力(前編)