2026年06月17日
Salesforce構築の手順を5ステップで解説!
ポイントや費用も紹介
Salesforceの構築は、業務効率化に不可欠ですが、正しい手順を踏むことが重要です。
本記事では、Salesforce構築の基本的な知識から、具体的な5つのステップ、成功させるためのポイントまでを分かりやすく解説します。さらに、費用相場や外注先の選び方も紹介し、貴社のSalesforce導入を成功に導きます。
Salesforceは、顧客管理や営業支援を効率化する強力なプラットフォームですが、その効果を最大限に引き出すには、自社の業務に合わせた「構築」が不可欠です。しかし、「何から手をつければよいのか分からない」「構築の進め方が分からない」といった悩みを抱える担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、Salesforce構築の基本から具体的な手順、成功のポイント、費用相場までを網羅的に解説します。この記事を読めば、Salesforce構築の全体像を理解し、プロジェクト成功への第一歩を踏み出すことができます。
Salesforceの構築とは?
Salesforceの構築とは、単にソフトウェアを導入するだけでなく、企業の独自の業務プロセスや目的に合わせて、機能のカスタマイズやアプリケーションの開発を行い、最適なCRM・SFA環境を整備することです。既製品のスーツではなく、オーダーメイドのスーツを仕立てるように、自社にぴったりフィットしたシステムを作り上げる作業と言えるでしょう。
業務に合わせた最適な環境を整備すること
Salesforceは非常に多機能ですが、標準機能のままではすべての企業のニーズを満たせるとは限りません。例えば、業界特有の管理項目を追加したり、複雑な承認フローを自動化したり、既存の基幹システムとデータを連携させたりする必要があります。こうした企業ごとの要件に合わせてSalesforceをカスタマイズし、現場の従業員が使いやすく、かつ経営戦略に貢献するシステムを作り上げることが「構築」の目的です。
Salesforce構築でできること
Salesforceの構築によって、多岐にわたる機能の実装が可能です。具体的には、顧客情報や商談情報の一元管理はもちろん、見積書や請求書の作成といった販売管理プロセスの自動化、さらには顧客からの問い合わせ管理まで、企業の様々な業務に対応したシステムを構築できます。
| 機能分類 | 具体的な構築例 |
|---|---|
| 顧客・商談管理 | 業界特有の顧客属性項目の追加、商談フェーズのカスタマイズ、活動履歴の自動記録 |
| 業務プロセスの自動化 | 承認申請ワークフローの電子化、特定条件を満たした際のタスク自動作成、メール自動送信 |
| アプリケーション開発 | 予実管理アプリ、プロジェクト管理アプリ、日報管理アプリなどの独自アプリケーション開発 |
| 外部システム連携 | 会計システムやMAツール、チャットツールとのAPI連携によるデータ同期 |
| レポート・ダッシュボード | 経営指標やKPIをリアルタイムで可視化するカスタムダッシュボードの作成 |
Salesforce構築の2つの方法
Salesforceの構築(カスタマイズ)には、大きく分けて2つの開発方法があります。一つはコーディングを必要としない「宣言型開発」、もう一つは独自のコードを記述する「プログラム開発」です。それぞれの特徴を理解し、要件に合わせて適切な方法を選択することが重要です。
クリック操作中心の「宣言型開発」
宣言型開発は、プログラミングコードを記述することなく、マウス操作(クリックやドラッグ&ドロップ)で開発を進める方法です。Salesforceプラットフォーム上に用意されている標準のカスタマイズ機能を活用します。
<宣言型開発でできることの例>
• 新しい入力項目の追加
• 画面レイアウトの変更
• ワークフロールールや承認プロセスの設定
• レポートやダッシュボードの作成
専門的なプログラミング知識が不要なため、システムの管理者や業務部門の担当者でも比較的容易に開発・修正が可能です。迅速な改修が求められる場合や、シンプルな要件を実現する場合に適しています。
コーディングを行う「プログラム開発」
プログラム開発は、「Apex」というSalesforce独自のプログラミング言語や、「Visualforce」「Lightning Web Components(LWC)」といった技術を用いて、より複雑で独自の機能を実装する方法です。
<プログラム開発でできることの例>
• 宣言型開発では実現できない、複雑なビジネスロジックの実装
• 外部システムとの高度なAPI連携
• 完全に独自のユーザーインターフェース(画面)の作成
• 大量のデータを一括処理するバッチプログラムの開発
宣言型開発に比べて自由度が非常に高く、企業の独自要件を細部まで実現できる一方で、開発には専門的なスキルと時間が必要となります。
| 開発方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| 宣言型開発 | ・開発スピードが速い ・コストが低い ・専門知識がなくても対応可能 |
・複雑な要件には対応できない ・機能の拡張性に限界がある |
| プログラム開発 | ・実現できることの自由度が高い ・複雑な要件に対応できる ・拡張性が高い |
・専門的なスキルが必要 ・開発に時間とコストがかかる ・保守・運用が複雑になりがち |
Salesforceを構築する5つの手順
Salesforceの構築を成功させるためには、計画的かつ段階的にプロジェクトを進めることが不可欠です。ここでは、多くの企業で採用されている標準的な5つの手順について解説します。
手順1:自社のビジネスモデルを可視化する
最初に、自社の現状の業務フローやビジネスモデルを図や文章で明確に「可視化」します。誰が、どのような業務を行い、どこに課題があるのかを整理することで、Salesforceで解決すべき本当の目的が見えてきます。この段階で現状分析を怠ると、導入したシステムが実際の業務と乖離してしまう原因となります。
手順2:要件定義を作成する
ビジネスモデルの可視化で明らかになった課題をもとに、Salesforceに実装すべき機能や達成すべき目標を具体的に定義します。これを「要件定義」と呼びます。例えば、「営業活動の属人化を防ぎたい」という課題であれば、「商談の進捗状況と活動内容を全営業担当者がリアルタイムで共有できる機能」といった具体的な要件に落とし込みます。この要件定義書が、後の設計・開発フェーズにおける全ての基礎となります。
手順3:設計と開発を行う
要件定義書に基づき、システムの具体的な仕様を決定する「設計」と、その設計書に従って実際にシステムを構築する「開発」を行います。設計フェーズでは、データ構造(オブジェクト設計)や画面レイアウト、権限設定などを詳細に決定します。開発フェーズでは、前述の「宣言型開発」や「プログラム開発」を使い分けながら、機能実装を進めます。
手順4:テスト環境で動作を確認する
開発が完了したら、本番環境とは別の「Sandbox」と呼ばれるテスト環境で、システムが要件定義通りに正しく動作するかを検証します。入力ミスや予期せぬエラーが起きないか、他の機能との連携に問題はないかなど、様々なシナリオを想定してテストを実施します。この段階で問題を十分に洗い出し、修正しておくことが、本番リリース後のトラブルを防ぐ鍵となります。
手順5:本番環境で運用を開始する
テストで問題がないことを確認した後、いよいよ本番環境へリリースし、実際の業務での利用を開始します。運用開始前には、利用する従業員へのトレーニングやマニュアルの準備が不可欠です。また、運用開始後も、利用者からのフィードバックを収集し、定期的にシステムの改善を繰り返していくことが、Salesforceの定着化と効果の最大化につながります。
Salesforce構築を成功させるためのポイント
高機能なSalesforceを導入しても、その構築プロジェクトが必ず成功するとは限りません。ここでは、構築を成功に導くために特に重要な3つのポイントを紹介します。
導入目的を明確にする
なぜSalesforceを導入するのか、その目的を具体的かつ明確にすることが最も重要です。「売上を10%向上させる」「顧客満足度調査のスコアを5ポイント上げる」など、可能な限り定量的な目標を設定しましょう。目的が明確であれば、必要な機能の優先順位付けが容易になり、プロジェクトの方向性がブレにくくなります。
小さく始めて段階的に拡張する
最初から大規模で複雑なシステムを構築しようとすると、開発期間が長期化し、コストも膨らみます。まずは、最も課題の大きい部門や業務に絞ってスモールスタートし、成功体験を積み重ねながら段階的に対象範囲を拡張していくアプローチが有効です。これにより、リスクを抑えつつ、現場の理解と協力を得ながら着実に導入を進めることができます。
現場の意見を取り入れ定着化を図る
システムを実際に利用するのは現場の従業員です。構築の初期段階から現場の意見を積極的にヒアリングし、使いやすさ(UI/UX)に配慮した設計を心がけましょう。また、導入後の定着化はプロジェクトの成否を分ける重要な要素です。定期的な研修会の実施や、社内に質問対応窓口を設けるなど、手厚いサポート体制を整えることが、利用率の向上につながります。
Salesforce構築は内製と外注どちらが良い?
Salesforceの構築を進めるにあたり、自社のリソースで行う「内製」と、専門の開発会社に依頼する「外注」、どちらを選択すべきか悩む企業は少なくありません。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて慎重に判断する必要があります。
内製(自社開発)のメリット・デメリット
内製は、自社の従業員が主体となって構築を進める方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・外注コストを削減できる | ・高度な専門知識やスキルを持つ人材が必要 |
| ・業務内容を深く理解した開発が可能 | ・担当者の負担が大きく、通常業務に支障が出る可能性がある |
| ・仕様変更や追加開発に迅速かつ柔軟に対応できる | ・開発ノウハウが属人化しやすい |
| ・社内にSalesforceのノウハウが蓄積される | ・客観的な視点が欠け、最適な構築ができないリスクがある |
外注(開発会社への依頼)のメリット・デメリット
外注は、Salesforceの構築を専門とする外部のパートナー企業に委託する方法です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・専門家の高いスキルと豊富な経験を活用できる | ・内製に比べてコストが高くなる |
| ・最新の技術動向やベストプラクティスを取り入れられる | ・要件の伝達が不十分だと、意図と違うシステムになる可能性がある |
| ・自社のリソースを本来のコア業務に集中できる | ・開発会社によってスキルや品質にばらつきがある |
| ・客観的な視点から業務改善の提案を受けられる場合がある | ・自社にノウハウが蓄積されにくい |
迷ったときの判断基準
どちらを選択すべきか迷った場合は、以下の点を総合的に考慮して判断しましょう。
• 社内のリソース: Salesforce構築の経験やスキルを持つ人材が社内にいるか?
• プロジェクトの複雑性:実装したい機能は、標準機能のカスタマイズで収まるか、あるいは複雑なプログラム開発が必要か?
• 予算とスケジュール:確保できる予算と、いつまでに稼働させたいかという期限は?
一般的に、初めての導入で何から手をつけて良いか分からない場合や、複雑な要件・大規模な開発が伴う場合は、専門知識を持つ外注パートナーに依頼する方が成功の確率は高まります。
Salesforce構築の費用相場
Salesforce構築にかかる費用は、主に「ライセンス費用」「開発・導入支援費用」「保守・運用費用」の3つで構成されます。プロジェクトの規模や要件によって総額は大きく変動します。
ライセンス費用
Salesforceを利用するために必要な、ユーザーごとの月額または年額の利用料です。契約する製品(Sales Cloud、Service Cloudなど)やエディション(機能の範囲)によって価格が異なります。例えば、営業支援向けの「Sales Cloud」では、1ユーザーあたり月額数千円から数万円のプランが用意されています。
参考:Sales Cloudの営業支援ソフトウェア|Salesforce
開発・導入支援費用
要件定義から設計、開発、テスト、導入後のトレーニングなど、システム構築そのものにかかる費用です。外注する場合、この費用がプロジェクト全体のコストの大部分を占めることになります。費用は開発の規模や複雑さに応じて大きく異なり、簡単な設定変更のみであれば数十万円程度から可能ですが、大規模なカスタマイズやシステム連携が伴う場合は、数百万~数千万円以上になることも珍しくありません。
保守・運用費用
システム稼働後に発生する費用です。Salesforceのバージョンアップへの対応、不具合発生時の調査・修正、利用者からの問い合わせ対応、追加の機能改修などが含まれます。一般的に、開発にかかった費用の5%~15%程度が年間の保守費用目安とされることが多いです。
信頼できる外注先の選び方
外注でSalesforce構築を成功させるためには、信頼できるパートナー(開発会社)選びが極めて重要です。以下の3つのポイントを必ず確認しましょう。
Salesforceに関する専門知識と実績を確認する
まず、Salesforce認定資格を保有する技術者が在籍しているか、自社と類似した業界や規模の企業への導入実績が豊富かを確認します。公式サイトなどで公開されている導入事例は、その会社の得意分野や技術力を判断する上で非常に参考になります。
自社の業界・業務への理解度を測る
技術力が高いだけでなく、自社のビジネスモデルや業務プロセスを深く理解しようとする姿勢があるかも重要なポイントです。打ち合わせの際に、専門用語を多用するだけでなく、こちらの課題を丁寧にヒアリングし、業務に寄り添った提案をしてくれる会社は信頼できる可能性が高いでしょう。
コミュニケーションが円滑に進むか見極める
システム開発は、長期間にわたって開発会社と密に連携を取りながら進めるプロジェクトです。そのため、担当者との相性やコミュニケーションの取りやすさは非常に重要です。質問に対するレスポンスの速さや説明の分かりやすさ、こちらの要望に対する柔軟な対応力などを、契約前の段階からしっかりと見極めましょう。
まとめ
本記事では、Salesforce構築の基本的な考え方から、具体的な手順、成功のためのポイント、費用、外注先の選び方までを包括的に解説しました。Salesforceの構築は、企業の成長を加速させる強力な武器となり得ますが、そのためには戦略的なアプローチが不可欠です。
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